大分市の市議会議員などが逮捕・送検された入札妨害事件で、入札に関係する市の職員が警察の任意の事情聴取に対し「予定価格を伝えるのは悪いことではないかと思っていたが、上司からの指示で議員に伝えた」などと説明していることが新たに分かりました。
この事件は公契約関係競売入札妨害の疑いで大分市議会議員の山本卓矢容疑者45歳が逮捕されたものです。
山本容疑者は2024年5月に大分市が行った指名競争入札で市の職員から聞き出した予定価格10数件を業者側に教え落札させた疑いが持たれています。
この事件では落札業者で市内の造園工事業「ヒロセ」の社長など2人も逮捕・送検されています。
今回、事件となったのは大分市の都市計画部の公園緑地課が担当する除草業務委託の指名競争入札です。
市の職員「以前から慣例化していて議員に伝えるよう言われた」
捜査関係者によりますと、警察の任意の事情聴取に対し入札に関係する市の職員が「予定価格を議員に伝えるのは悪いことではないかと思っていた。上司に相談したが以前から慣例化していて議員に伝えるよう言われた」などと話しているということです。警察は引き続き任意で事情聴取を続けるなど捜査を進める方針です。
また山本容疑者は「予定価格を教える見返りに選挙での支援を受けようとした」という趣旨の供述をしていて、業者側は「10年以上前から市議を通じて予定価格を聞いていた」などと話していることが捜査関係者への取材で分かりました。
警察は業者と議員側が長年にわたって癒着していた可能性があるとみて調べています。
大分市議会議員と業者の癒着は過去あったのか。
現職の市議会議員がTOSの取材に応じ「昔からそういうことはあって選挙で支援してもらう関係で企業から頼まれてきた」と証言しました。
TOSの取材に答えたのは現職の大分市議会議員です。
予定価格を知りたいと聞かれた経験「正直あります」
議員から業者に入札の予定価格を伝えることは以前から行われていたのか。
この議員は「昔から、少なくとも10年以上前からそういったことはあった。選挙で支援してもらう関係で企業から頼まれてきた」と証言しました。また、「全員ではないがやっている議員がいる」と話しています。
またきょう大分市議会の田島議長が取材に応じました。
田島議長も過去業者から予定価格を知りたいと聞かれた経験があるということです。
◆大分市議会 田島寛信議長
「私ですか?あります。正直あります。執行部からそういうことをしていたら大変なことになるとたしなめられて。教えなかった?それは当然です。現実にそういうことがあったから重く受け止めなければいけない」
また、山本容疑者が所属している自民党大分市連では、30日緊急の会議を開き今後の対応を話し合うということです。