随意契約された備蓄米について、29日から大手小売業者への引き渡しが始まりました。

大分県内のスーパーなどには届くのか、気になる備蓄米について取材しました。

◆小泉大臣(26日)
「一層のスピード感と危機感を持ってコメの価格についての国民の不安を払しょくしていく」

小泉大臣が5月発表した備蓄米の随意契約。29日、随意契約した会社には備蓄米が運ばれました。

生活用品大手の「アイリスオーヤマ」は、価格は5キロ当たり2000円程度でインターネットでの予約販売が始まりましたが即日売り切れました。

また楽天グループも特設のホームページを開設し販売を開始すると発表しましたが、こちらも売り切れています。

引き渡しは今後本格化し、「ドン・キホーテ」の運営会社や「イオン」などにも順次、備蓄米が届けられるということです。

5キロあたり2000円程度になると想定される今回の備蓄米。県内のスーパーは随意契約に申し込んでいるのか。各社に聞いてみました

トキハインダストリーは、30日から受け付けが始まる予定の中小の小売店などを対象とした随意契約に申し込む方向で検討を進めています。取引先とも調整したうえで最終決定するということです。

「マルミヤストア」や「新鮮市場」を展開する会社は親会社である山口県のリテールパートナーズが大手を対象とした随意契約に申し込みました。

申請したのは2022年産の「古古米」1000トンで、このうちマルミヤストアや新鮮市場などには300トンが割り当てられるということです。
6月中旬ごろに店頭に並ぶことを目指すとしていますが、県内の店舗にどれだけ並ぶかは現状は未定です。

続いてはイオン九州です。親会社のイオンは随意契約により、およそ2万トンを販売すると発表しました。6月初旬以降に全国のイオングループの店舗で販売されるということです。

一方、「サンリブ」や「マルショク」を展開する北九州市のサンリブは、大手を対象とした随意契約には申し込みませんでした。

30日から始まる中小を対象とした契約に申し込むかは回答を差し控えるとしています。

◆甲斐菜々子記者
「この備蓄米の随意契約、中小のスーパーやこのような街の米穀店にも対象が広がる方針です」

30日からはコメの専門店や中小のスーパーも備蓄米の随意契約に申し込むことが出来る予定です。

大分市のこちらの店では飲食店を中心に業務用のブレンド米を販売しています。

備蓄米の随意契約に申し込むか聞いてみると…

◆山川米穀店 山川富弘さん
「古古米が終わって古古古米になるということなので実のところ(申し込む)気はない」

コメの専門店や中小のスーパーに売り渡されるのは古古古米と呼ばれる2021年度産のコメ。

価格は5キロ1800円程度で調整されていますが。品質に不安があるということです。

◆山川米穀店 山川富弘さん
「安いのに越したことはないが、それ(品質)に見合う値段かもしれない。私も2年前、3年前のコメを食べたことないから味が分からない。値段だけで出すことは商売として果たして …という気持ち」

また、備蓄米を仕入れることでブレンド米に混ぜているのではと客から思われないか不安もあると複雑な心境を明かしてくれました。

備蓄米をめぐる一連の動きについて、まとめました。

農水省は随意契約による大手小売業者への売り渡しについては、予定数量の20万トンに達したため28日受付を終了しました。その結果、61社からの申し込みが確定しています。

数量は2022年産が19万トンほど、2021年産がおよそ2トンの合わせておよそ21万トンです。

一部の業者は、すでにインターネットで販売を開始しています。

そして、2021年産いわゆる「古古古米」10万トンについては、大手の受付とは別枠で中小の小売業者を対象に随意契約を受け付けます。

29日夕方には、オンラインでの説明会が開催され、農水省は30日から受付を始める予定です。

テレビ大分
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