様々な悩みを抱えた人達からの相談を24時間態勢で受け付ける「鹿児島いのちの電話」。
電話で悩みを聞く相談員は、みなさん、ボランティアです。
設立から約40年。
いま、相談員不足に直面し、態勢を維持することが難しくなってきています。
現状を取材しました。
「お話して大丈夫ですよ」
1989年に、全国で32番目に開設された「鹿児島いのちの電話」。
365日24時間態勢で、全国各地の様々な悩みを抱えた人たちからの相談を受け付けています。
鹿児島いのちの電話・平川忠敏事務局長
「不景気やコロナなど)時代を反映する相談がくる。心の119番ですよ」
こちらは2023年度の相談内容の内訳です。
最も多いのは精神に関する悩み、次いで人生に関するものが多く、そのほか家族や職場に関することなど多岐にわたります。
相談件数は、年間約1万3000件にも上り、そのうちの10%近くが自殺志向がある内容です。
相談者を年代別にみると、働く世代である30代から60代までで、7割を超えています。
悩みを抱える人たちの声を聞くのはボランティアの相談員です。
多くの人たちの心の支えとなっている「鹿児島いのちの電話」。
実は今、24時間態勢の維持が難しくなってきています。
理由は相談員の不足でピーク時には180人ほどいた相談員は、高齢化や働くシニアの増加で現在は約90人に半減したといいます。
電話も2台ありますが1台しか稼働できず、電話をとれないことも。
相談を受けている最中に着信を知らせるサインもしばしば点滅していました。
全国50カ所あるいのちの電話の窓口のうち、24時間態勢で受け付けているのは鹿児島を含め、およそ半数。
平川事務局長は深夜の相談活動の重要性をこう話します。
平川事務局長
「行政が担当しない時間帯を我々(いのちの電話)がしないといけない。いろんな悩み、相談はやっぱり夜(に多い)。暗くなって一人になって」
29日に担当していた相談員は2025年で4年目。
自身の経験からこのボランティアに参加しました。
相談員
「誰にも言えないことをたまたまバス停でシスターに話したことがあった。聞いてくれるだけですごく心が軽くなった」
「聞いてくれてありがとう。(電話を)受けた時よりも少し明るくなった声が聞こえたりすると、よかったなと思う。自分がいろんなことを全然知らないということを相談員になってわかった。自分のためになっている活動だと思う」
相談員が増えることで、ひとりでも多くの声を拾うことができる。
顔の見えない誰かの悩みに今日も、相談員は寄り添っています。
相談員になるには、受講料2万円で25回の講座を受ける必要があります。
2025年の講座もすでにスタートしていますが、事務局では随時、参加者を受け付けているということです。