プレスリリース配信元:パーソルキャリア株式会社
~“転職ネイティブ“な価値観の定着に加え、昨夏以降の賃上げ企業増加が転職への期待感を後押しか~
パーソルキャリア株式会社が運営する転職サービス「doda(デューダ)」(編集長:桜井 貴史)は、doda会員登録者数のうち、入社月である4月に転職サイト「doda」に登録した新社会人※1の数を分析し、「新社会人の転職サイト登録動向」としてまとめましたので、結果をお知らせいたします。
※1:新卒ではじめて社会人になった人
新社会人の転職サイト登録動向2025年版
2025年4月、新社会人の「doda」登録者数は約15年で調査開始以来最多に
入社直後の2025年4月における新社会人の登録者数は、過去最高値を更新。昨年比では113%となりました。調査開始時期の2011年比では、全体が約7倍なのに対し、新社会人の登録者数は約31倍に伸長しています。なお、10年前である2015年比でみると、全体が約3倍なのに対し、新社会人の登録者数は約6倍でした。
4月度doda会員登録者数の推移
【解説】doda編集長 桜井貴史~2025年度新社会人の転職サイトへの登録が増加した背景~
2025年4月の新社会人の登録理由については、大きく2つの要因が考えられます。
1. 給与面をはじめとする好待遇企業への転職機会を伺う登録が増えたため
より希望条件にあう環境や待遇を求めて転職機会を伺う層が増えたことが挙げられます。2025年卒の大学生の就職内定率※2は92.6%で、過去最高水準の内定率を記録しました。若手層の人口減少による売り手市場が続いていること、また就活の早期化が加速していることもあり、夏前に就活を終えた学生も少なくありません。しかし、2024年の夏ごろから、物価高や金利の上昇の影響もあり、春闘では33年ぶりの賃上げ率を更新。初任給を30万円以上に引き上げる企業にも注目が集まりました。また、大手企業を中心に中途採用比率を増やす動きも見られました。
就活を終えてからこうした環境の変化を受け、「より条件の良い企業に挑戦したい」「大手企業への転職に再挑戦したい」という心理がはたらいたこと。さらに、昨今は中途採用でも若手層が売り手市場で、転職後に年収が上がる傾向も強まっていることから、転職への期待感が高まり、新社会人の登録増加を後押ししたと推測しています。
※2:厚労省・文部科学省「令和7年3月大学等卒業予定者の就職内定状況(2月1日現在)」
2. 転職ネイティブ世代として、今後のキャリアを見据えた情報収集を目的とする登録が増えたため
パーソル総合研究所の「働く1万人の就業・成長定点調査2025」によると、転職に対するイメージについて「総合的に見てよいことだと思う」と回答した20代は約7割。つまりZ世代の多くが転職をポジティブに捉えていることがわかります。また、20代前半が仕事を選ぶ上で重視することのうち、「資格や免許の取得に繋がること」や「色々な知識やスキルが得られること」といった自己成長につながる項目が減少傾向を示す一方で、「様々な仕事を経験できること」や「社会に貢献できること」、「キャリアを活かせること」といった項目は、やや上昇傾向にあります。このことから、従来のいわゆる「成長志向」よりも、「自分らしくはたらく」ことを重視する傾向が強まっていると推測されます。
今年の新社会人は、終身雇用が崩壊、転職もより身近になってきたことから、将来転職することを前提にファーストキャリアを選ぶ「転職ネイティブ世代」※3でもあります。転職自体を、自分らしい「はたらく」をかなえる前向きな選択肢の一つと捉え、すぐ転職するためではなく、情報収集の手段の1つとして、転職サービスに登録をしているのだと考えられます。
※3:「転職ネイティブ世代」とは、将来転職することを意識しながら就職活動をする(最初の仕事=ファーストキャリアを選ぶ)ことが当たり前となった世代として、転職サービス「doda」が2021年に発表したキーワードです。経済界のリーダーによる「終身雇用の維持は難しい」といった主旨の発言が目立った2019年以降に就職活動を始めた世代を指しています。
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000174.000016455.html
~新社会人のはたらく価値観の傾向と今後の見立て~
企業を“選ぶ”側面が強まった就職活動の経験から、新社会人が自らの意思でキャリアを選択する「キャリアオーナーシップ」の意識は向上中。
続く労働力不足の影響で、今後も売り手市場は継続、新社会人の登録者数も増加の予想
今年の新社会人は、売り手市場ゆえに複数の企業から就職先を選ぶ、という行動をしてきた方が多く、自らの意思でキャリアを選び行動していく「キャリアオーナーシップ」の意識が高まっているといえます。ゆえに、入社後も自分らしくはたらくことを意識し、より希望のキャリアがかなう企業にアンテナを張っているのかもしれません。また、前述のように昨今の物価高や賃上げのトレンド影響もあり、待遇に対する関心も高いと思われます。
ただし、現職の環境変化をうけて急に転職活動に動いたり、短期目線で「年収が上がる」ことだけに目を向けて転職の意思決定をしたりすることには、リスクも伴います。まずは情報収集をしながら、自分らしいキャリアを模索し積み上げていくことが、長期目線で納得感のあるキャリア形成につながるのではないでしょうか。また、企業はこうした若者の価値観の変化に応じて、待遇の見直しや明確なキャリアパスの提示、個々人が自分らしさを発揮できる仕事をアサインするなど、工夫し続けていくことが求められています。
今後も日本の労働力人口は不足していく見込みで、2035年には1日あたり1,775万時間分の労働力が不足するという推計※4も出ています。今後、若手人材の需要はますます高まり、就活・転職ともに売り手市場が継続することが予想されるため、新社会人の転職サービスへの登録も増加傾向が続くものと考えられます。
※4:パーソル総合研究所「労働市場の未来推計2035」https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/spe/roudou2035/
解説者プロフィール doda編集長 桜井 貴史(さくらい たかふみ)新卒で大手人材会社に入社し、一貫して国内外の学生のキャリア教育や就職・転職、幅広い企業の採用支援事業に携わる。2016年11月、パーソルキャリア株式会社に中途入社。同年、株式会社ベネッセホールディングスとの合弁会社、株式会社ベネッセi-キャリアに出向、新卒オファーサービス「dodaキャンパス」の立ち上げを牽引し、初代dodaキャンパス編集長に。その後、同社 商品サービス本部 本部長として、キャリア講座やアセスメントをはじめとした大学生向けサービスの責任者を務める。2023年4月、doda副編集長 兼 クライアントP&M本部 プロダクト統括部 エグゼクティブマネジャーに就任し、法人向け採用支援プロダクト全体を管掌。2024年4月、doda編集長に就任。サービスを通じてこれまで60万人以上の若者のキャリア支援に携わり、Z世代の就職・転職動向やキャリア形成、企業の採用・育成手法に精通している。
転職サービス「doda」について< https://doda.jp/ >
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