赤沢経済再生担当相は29日、首相官邸で石破首相と会談後、記者団の取材に応じ、アメリカ側との関税交渉において、アメリカの貿易赤字解消の手段の1つとして、防衛装備品の購入が今後の交渉カードになる可能性に言及した。
赤沢大臣は「貿易赤字といったものの中に、防衛装備品の購入とかが入ってくれば、事実上、米国側の貿易黒字が積み上がることはある」、「そういう意味では若干視野に入るかと言われれば入りうるものかなと思う」と述べ、今後の関税交渉でアメリカからの防衛装備品の購入拡大が交渉カードの1つになりうるとの認識を示した。
一方で、「理屈や物差しが違う」として、関税や通商政策と安全保障の問題は別物だという従来の考え方も強調した。
関係者によると、防衛装備品の購入拡大をめぐっては、石破首相とトランプ大統領の電話会談の中で、F47戦闘機の購入についてトランプ大統領側から言及があったという。
赤沢大臣は29日午後、日本を出発してアメリカ・ワシントンに向かい、ベッセント財務長官との関税交渉に臨む。