2025年のサクランボは近いエリアであっても着果数にバラツキがある状況が確認されている。実った分を確実に提供するため、サクランボ狩りの受付けを制限するなど、苦渋の対応をとらざるを得ない観光果樹園も出ている。

上山市にある「高橋フルーツランド」は、約1ヘクタールの園地でサクランボを育てている。
あと2週間もすれば収穫を迎える露地もののサクランボが実る園地に案内してもらうと…。

(高橋フルーツランド・高橋真也社長)
「交配がうまくいっていない。佐藤錦の場合は他の品種の花粉がつかないと花は咲いても受粉しない。段々しぼんできて、ほかはみな落ちる。収穫できない」

2025年は開花時期の天候の影響で受粉を担うハチの動きが鈍く、主に佐藤錦で実の数が少なくなっている。
佐藤錦の受粉には、異なる品種の花粉が必要となる。

この園地では紅秀峰などの「交配樹」も佐藤錦の近くに植えているため、ある程度の実の数を確保することができた。

(高橋フルーツランド・高橋真也社長)
「紅秀峰の枝と佐藤錦の枝が交差しているところは、ハチが飛ばなくても受粉する」

しかし、作柄調査の結果が表すように、県内では着果数が少ない園地も多いとみられる。
サクランボを供給できる園地が限られてしまうことで、ある別の問題が起きていた。

(高橋フルーツランド・高橋真也社長)
「ほかの地区でサクランボがなっていないと、なっている所に客が集中する。ある程度、予約で制限しないと品物がすぐなくなる。観光用と贈答用もやっているので、贈答が対応できなくなる」

この果樹園には、県の内外から例年約7000人がサクランボ狩りに訪れる。
すでに団体客の予約も入っているが、2025年は「実の数の確保」のため予約なしで来る客を制限し、「完全予約制」をとることにした。

(高橋フルーツランド・高橋真也社長)
「サクランボが実っていて、来てくれるお客さんがいて、断るのも心苦しい。山形県の一番の果物だから」

これまで個人の来場者には実施したことがなかった完全予約制。
県内各地で確認されている「実の少なさ」が観光にも影響を及ぼし始めている。

※高橋フルーツランド・高橋真也社長の「高」はハシゴダカ

さくらんぼテレビ
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