5月下旬に入り、島根県内でクマの目撃情報が相次いでいます。この時期に人里に現れるクマは、いったいどのような特徴があるのでしょうか。注意するポイントを取材しました。

福村翔平記者:
クマが出没したとみられる松江市内の畑です。このようにクマの足跡がくっきりといくつも残されています。

松江市東出雲町では26日、クマらしき足跡があると畑を管理している人から市に連絡がありました。

松江市猟友会・細田信男会長:
成獣は、私の手のひらでこうやったくらいが成獣の足跡なんです。これは成獣よりちょっと若い個体じゃないかなと思います。

松江市猟友会の細田会長によると、茂みから出てきたクマは、畑をぐるりと歩いたあとエサがないことがわかり、来た方向へ戻って行ったということです。

松江市猟友会・細田信男会長:
人里に近い小学校も近い的な

足跡のあった現場は、JR揖屋駅にほど近く、北側には住宅地や商店が立ち並ぶエリアで、細田会長によると、2024年もクマの目撃情報があったといいます。

このように松江市の市街地付近でもクマの出没が増えているといいます。

松江市猟友会・細田信男会長:
今までは年に1回か2回くらいしかクマの情報というのはなかった。3、4年くらい前からだんだん年間何頭かの目撃情報が出てきた。

クマの目撃情報は県西部でも。
益田市の石見空港周辺の県道では、22日に大人のクマのような動物1頭が、翌朝には隣接する県立万葉公園で子どものクマのような動物1頭が目撃されました。
県は万葉公園の遊歩道を封鎖するなどの対応を取り、注意を呼び掛けています。

この時期に現れるクマはどのような特徴があるのでしょうか。

島根県中山間地域研究センター鳥獣対策科・澤田誠吾科長:
6月から7月というのは、クマの繁殖時期。オスは活発に行動するので、出没、目撃は増えてくる。さらにこの時期は、1歳半の個体は親離れしていく時期。

専門家によると、この時期に人里に現れるクマは主に2種類。ひとつは冬眠明けでエサを求めて活動範囲を広げる個体。これから繁殖期に入り、さらに活発になることが予想されます。もうひとつは親離れをして行動範囲を探っている子グマです。

島根県中山間地域研究センター鳥獣対策科・澤田誠吾科長:
例えば集落に、ここは出ちゃいけない場所だというところを学習する過程、そこで覚えていくので。若い個体の移動、分散の時期も重なるので、やはり目撃される機会は増えてくると思います。

子グマだからといって油断は禁物!鋭い爪と人間以上の力を持っているため、警戒が必要なことに変わりはありません。
近年増加傾向にあるクマの目撃数。2024年では島根県内だけで1561件に上り、10年前の約2倍に増加。2025年も4月に入り23件の目撃情報が寄せられています。

島根県中山間地域研究センター鳥獣対策科・澤田誠吾科長:
そこに餌があるかないかということが大きなポイント。クマの誘引物、例えば生ごみの適正な処理や、誰も収穫しない放任果樹など、適正に管理をしていくことが重要。

クマに遭遇しないためにも、できるところから対策を進めていく必要があります。

TSKさんいん中央テレビ
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