農水省は27日、備蓄米の随意契約に申し込んだ小売業者を公表しました。

その中には、福岡のディスカウントストアもあります。

担当者を直撃しました。

27日、福岡市のスーパーの米の棚には、びっしりと商品が並んでいました。

◆サニー平尾店 崎秀嗣 店長
「以前に比べたら入荷数は増えて、こういう備蓄米も納品されるようになった」

このスーパーでは備蓄米が5キロ3780円(税込4083円)で売られていました。

26日に詳細が明らかになった備蓄米の随意契約。

年間1万トン以上を取り扱う大手小売業者を対象に、2022年産が20万トン、2021年産が10万トン、あわせて30万トンが売り渡されます。

店頭価格は5キロあたり2000円ほどになる見通しです。

また、小泉農水相は早ければ6月上旬にも店頭に並べることができるとしています。

では、どこで買えるのでしょうか?

小泉農水相は、政府の備蓄米の「随意契約」での売り渡しに、27日午前9時時点で19社から申し込みがあったことを明らかにしました。

その中には福岡のディスカウントストア「ミスターマックス」の名前も。

さっそく担当者を直撃すると…

◆ミスターマックス 広報課 丸山佳祐さん
「今回5000トンの備蓄米を申し込んでいる。弊社が運営している57店舗で販売する数量です。目標としては6月初旬から販売を開始、5キロあたり税抜き2000円を切るような価格での販売を目標にして現在調整をすすめている」

このニュースに、店にいたお客さんは…

◆買い物客
「さっきニュースで見た。体が大きいからその分食べる。質より量みたいな、安けりゃいい」

◆買い物客
「『おいしいよ』ってなれば買おうかなって思いますけど」

Q.備蓄米の種類は知っている?
◆買い物客
「古古古米ね」

今回、随意契約で放出される備蓄米は、2022年産の古古米と2021年産の古古古米です。

いったいどんな米なのか。

訪ねたのは、福岡市城南区の米穀店です。

店主の中島拓海さんは「5ツ星お米マイスター」に認定されていて、精米やブレンド技術、保管方法など多岐にわたる米の専門知識を持っています。

Q.「古古米」「古古古米」は一般的に流通する?
◆5ツ星お米マイスター 中島拓海さん
「一般家庭にはまず流通しない。おいしくはなかなか食べられない」

おいしく食べられるかは疑問だというマイスター。

それは、米が古くなることで起こる、ある変化が原因だといいます。

◆5ツ星お米マイスター 中島拓海さん
「一番の問題は“ぬか臭”。ぬかの油分が酸化して嫌な臭いを放つのが問題」

Q.ぬか臭は気になる?
◆5ツ星お米マイスター 中島拓海さん
「だいぶ気になると思います」

かなり独特だという古い米の“ぬか臭”。

対処法はあるのでしょうか。

◆5ツ星お米マイスター 中島拓海さん
「古米の研ぎ方を少し変えるだけで、割とぬか臭を軽減できる」

その研ぎ方をマイスターに実践していただきました。

1.米をざるに取り、ボウルに水を入れる

2.ざるをボウルに軽く浸し、すぐに上げる

3.ぬかを溶かすように優しく研ぐ

これを2~3回繰り返すと…

◆5ツ星お米マイスター 中島拓海さん
「透明感がけっこう強い感じ」

わずか1分ほどで洗米できました。

洗うときにざるを使って水をできるだけ吸わせないことがポイントだといいます。

◆5ツ星お米マイスター 中島拓海さん
「匂いがいい新米なら(水を)あえて吸わせていいが、ものを見てやり方を変えていくのがおいしく炊く方法」

ミスターマックスは「6月頭の販売を目指す」ということですが、ほかにも福岡の複数の企業が名乗りを上げました。

まずは、トライアルHDが備蓄米1万5000トンを申し込むと明らかにしました。

そして、サニーなどを運営するイズミと、ドラッグストアを展開するコスモス薬品も、契約を「前向きに検討する」と明らかにしました。

一方で他の地元の小売店に話を聞くと、「年間の取り扱いが1万トン以上というルールだと申し込めるのはかなりの大手企業に限られる」「大手に安い米が大量に並ぶと地元の客が流れていき今後に影響が出る」と不公平感も聞かれるので、この辺りの課題は今後、検証の必要がありそうです。

テレビ西日本
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