楽天の浅村栄斗選手が5月24日の日本ハム戦で平成生まれ初の通算2000安打を達成。達成まで道のりと苦悩に迫ります。
24日、プロ野球史上56人目の通算2000安打を達成した楽天・浅村栄斗選手。お立ち台で見せた涙の裏には偉業達成への苦悩がありました。2008年、ドラフト3位で西武に入団した浅村選手。プロ3年目にレギュラーをつかむと打点王のタイトルを獲得するなど、勝負強さを発揮。2019年からは楽天に移籍し、2度のホームラン王に輝きました。
そして、プロ17年目となった今シーズン。ここまで積み上げたヒットは1999本。24日の球場には、通算2000安打の偉業達成を目に焼き付けようと、満員のファンが駆けつけました。
シーズン開幕前の3月、仙台放送は2000安打達成を前に浅村選手を単独取材。そのとき、明かした胸の内とは…。
浅村栄斗選手
「まさかここまで来るって、正直プロ入りした時は思ってもいないし、そこを目標にしてもいなかったので、とにかくもう試合に出たいとか、打ちたいっていう一心でやってきた」
ひたむきな思いを胸にヒットを積み重ねてきた浅村選手。しかし、大記録が目前になった5月。残り9本としながらも自己ワーストの35打席ノーヒット。1346試合続いていた連続出場の記録も途絶え、足踏みが続きました。
浅村栄斗選手
「本当にいろんな人に申し訳ないなって思うようになって、そこからプレッシャーはすごく感じていました」
重圧を感じながらも一本ずつヒット積み重ね2000安打へ、ついに王手をかけ迎えた24日の第1打席。プロ野球史上56人目の通算2000安打を達成!34歳6か月での偉業達成は史上7番目に早く、平成生まれ初の快挙となりました。
興奮冷めやらぬまま迎えた第2打席でも、2打席連続となるヒット!早くも2001本目を記録しました。浅村選手は試合後のヒーローインタビューで「長かったですし、苦しかったです」と話し、胸の内を明かしました。
浅村栄斗選手(Qどのような思いで打席に向かったんですか?)
「なんとか早く決めたいと思っていました。うれしい記録なんですけど、近づくにつれて苦しかったですし、それくらい偉大な記録だと改めて感じました」
ファン
「浅村選手のファンで、ずっと追いかけてきたので、きょう見られたのがとてもうれしくてずっと泣いていました」
「僕たちのヒーローですごくうれしいです」
「日本一に導いてほしいなって思います」
また、2019年から5年間ともにプレーした銀次さんは浅村選手のすごさについて、「2000本は体が強くなきゃできないことだし、試合に出続けなきゃ達成できないことなので、その中で達成できたのは浅村の努力だと思います。打てる時も打てない時も毎日、自分の練習を継続してやっているところは若い選手も気づいているし、受け継がれていくのかな」と話しました。
プロ17年で誰もが認める名選手となった浅村選手。試合後の会見では2000安打達成について本音を明かしました。
浅村栄斗選手
「うれしいというよりも、一番はほっとしています。(2000安打は)チームとしての目標ではないので、自分の記録ということだけだったので、早く終わらせてチームのために集中したいなと思っていたんですけど、それがプレッシャーに変わって、なかなかヒットが出ない。今までにない感覚はありましたし、苦しかったですね」
大きなプレッシャーの中、成し遂げた2000安打。次なる頂へ、歩みを進めます。
浅村栄斗選手
「ファンの人がすごく盛り上がってくれてうれしかったですし、そういうファンの皆さんの前で早く達成したいとずっと思っていたので、きょうこうやって達成してチームも勝ってすごく幸せです」