外国の運転免許証を日本の免許に切り替えるいわゆる「外免切替」。
外国人によるひき逃げ事件などが相次ぐ中、警察庁は制度の厳格化を検討していることを明らかにしました。
【警察庁 楠芳伸長官】「外免切替制度により免許を取得された外国人による交通事故の発生もみられる」
22日、現状に対する危機感を語ったのは警察庁のトップです。
■外国人による事故が相次ぐ
その背景にあるのが、相次いでいる外国人による交通事故です
5月18日、三重県亀山市の新名神高速道路でペルー国籍の男が運転する車が逆走し、車2台と衝突する事故が発生。
また、5月14日には埼玉県で中国籍の男が運転する車が小学生の列と衝突するなど、外国人による車の事故が相次ぐ事態になっています。
いずれも運転手が所持していたのは外国の運転免許を日本のものに切り替えた、いわゆる「外免切替」による免許証でした。
「外免切替」の取得者数は10年前と比べると2倍以上に増加。その背景には“抜け穴”ともいえる「簡単すぎる試験」ありました。
大阪の運転免許試験場を訪ねると、
【中国出身の受験者】「10問解くために1時間ぐらい(の勉強)でOKです。満点です。簡単です」
この男性はSNSで投稿されていた例題を1時間勉強しただけで満点をとれたと言います。
他にも「住所がホテルでも申請可」だという抜け穴もあります。
中国人の男性が日本に観光に来た際に取得した免許証の画像を見ると、免許の住所が「ホテル」になっています。
現在の制度では日本に住民票がなくても宿泊先のホテルに滞在の証明書を出してもらえば、免許の取得が可能なのです。
こうした状況を受け、22日、警察庁は外免切替制度の厳格化を表明しました。
【警察庁楠芳伸長官】「申請者の国籍に関わらず、住民票の写しを原則として、観光で滞在している方の外免切替を認めないこととする」
他にも試験の問題数を増やすなどの対策も検討しているということで、危険な事故を減らすために、迅速な制度の見直しが求められています。
■「こんな緩い制度よく存在してきたな」と亀井弁護士
「外免切替制度」の厳格化が検討されているということです。
【亀井正貴弁護士】「こんな緩い制度がよく存在してきたなと思います。日本では、飲酒運転や危険運転致死傷とか、どんどん交通関係について厳格化が図られているわけですから、当然外国の方についても、それなりの知識と規範というものを学習してもらう必要があると思います」
事故を起こした時のリスクについても理解してもらう必要があるといいます。
【亀井正貴弁護士】「単にルールを教えるのではなくて、実際事故を起こした場合には、例えば危険運転致死傷で大きな事故を起こせば、懲役10年とかそれだけの厳罰が課されるわけです。こういうことも周知してもらう必要があると思います」
【関西テレビ 神崎博報道デスク】「旅行者でも取得できるのは驚きです。私がマレーシアに駐在していた時に、日本の免許からマレーシアの免許に切り替えたのですが、その時にはマレーシアに居住していて、働いているビザがあってと書類をいくつか用意しないと切り替えできませんでした。旅行者が取れるというのはおかしいと思いますので変えるべきです」
【関西テレビ 神崎博報道デスク】「試験問題も○×式の10問で、7問正解したらいいというのでは、それで日本の交通法規をマスターできるわけではないので、そこも難しくするべきだと思います」
(関西テレビ「newsランナー」 2025年5月23日放送)