今日は給料日という方も多いのではないでしょうか。
この給料を巡って今、新しい動きが出ているようなんです。
というわけで23日のテーマは「なぜ?ボーナスを分割?給与に上乗せ」ソレってどうなの?です。
連合によりますと2025年の春の平均賃上げ率は5.42%。
賃上げの動きは定着しつつあります。
そんな中、注目されているのがソニーグループなど大手企業の報酬制度の見直しです。
その1つが賞与の給与化です。
これまでボーナスとして支給されていた分を分割して、毎月の給与に上乗せするという制度なんです。
ソニーグループは本体の事業会社の3社、従業員1万5000人を対象に導入。
その結果、2025年4月以降の新卒者の初任給は2025年度の1万円賃上げを加えると、前の年度と比べて月に4万8000円もアップ。
これに伴い、ボーナスは年2回から1回に減り夏だけとなりました。
「イット!」がソニーグループに導入の理由を尋ねると「激化する人材獲得競争の中、各領域で高い専門性を持つ優秀な人材を獲得・維持すること、多様なバックグラウンドや経験を持つ人材が持続安定的にその能力やクリエイティビティーを最大限発揮できるより良い環境を作り上げることが不可欠であると考え、報酬制度の見直しが必要と判断しました」といった答えが返ってきました。。
ソニーグループの人事制度は役割と成果に対して報酬を支払う“ジョブグレード制度”を導入しています。
日本で一般的に実施されている“定期昇給などの概念がない”ことが、今回の制度見直しの前提にあるということなんです。
ボーナスの給与化は他の大手企業でも進んでいて、大和ハウス工業も同じような取り組みをしていて年収を10%アップさせました。
これと同時に大卒の初任給も10万円アップの35万円へと引き上げています。
その目的について大和ハウス工業は「物価が高騰する中で給与と賞与の比率を調整することで、所得の安定を図り、従業員へ還元することを狙いとしています」と説明しています。
また玩具大手のバンダイも22年度からボーナスの一部を給与に振り分けたことで、2025年度の初任給は30万5000円となりました。
他にも現役の社員やシニア社員の報酬制度も見直しています。
バンダイは「採用力強化のための初任給アップだけでなく 現社員の給与制度も同時に見直すことで、組織全体の活力アップを目的に報酬制度を改定いたしました」としています。
大手企業などが導入し始めているボーナスを減らし給与を増やす制度。
街の皆さんはどう感じているのでしょうか。
給与派(30代):
普段の給与が上がった方が、個人的には収支の計算がしやすいので、家計の管理とかただ妻に任せてしまっている。お小遣い制でボーナスの時にもらえないので…。
給与派(20代):
月々の給与が上がる方がうれしい。(給与上がれば)普段からいいもの食べたりしやすい。
一方で、こんな意見もあります。
賞与派(20代):
今まで通りにボーナスはあった方がいい。引っ越しや家具の入れ替えなどボーナスがあるから「買うか」となる。それがなかったら貯蓄していかないと無理だと思う。
賞与派(20代):
まとまったお金が入る分、そっち(ボーナス)の方がうれしい。海外旅行とか一気にお金を使いたい。(給与だと)どうしても生活費などにあててしまう。
賞与派(40代):
ボーナスの方がいい。成果として上がりやすい。タイミング的に半期ごとに出るので、月収だと年度等で変わると思うので、成果が出るのが遅くなる。
青井実キャスター:
柳澤さん、いろいろな意見がありましたけど。
SPキャスター柳澤秀夫さん:
ボーナスって響きがいいんですよね。年収で同じ額をもらうにしても、ボーナスの時にちょっと額が多いと何かお得感があるじゃないですか。給与も上げてボーナスも一緒に上げてほしいですね。
青井実キャスター:
それが一番うれしいなと思いますけど。ボーナスを給与に振り分ける制度、企業側にとっては従業員のモチベーションアップあとは採用力の強化がメリットなようです。
では、デメリットというのはあるんでしょうか。
専門家の永濱さんに聞きました。
第一生命経済研究所 首席エコノミスト・永濱利廣さん:
業績変動への対応の難しさ。ボーナスだと業績が良いときに増やして、悪いときに減らせる。給与化すると業績が悪くなってもなかなか下げにくい。
一方で気になるのは、従業員のメリットやデメリットです。
第一生命経済研究所 首席エコノミスト・永濱利廣さん:
(Q.従業員のメリットは?)生活設計の安定、毎月の収入が増えれば住宅ローンや教育費、固定費を支払いやすくなって生活設計が立てられる。業績変動で賞与の増減が少なくなり、安定した収入を得られるようになる。毎月(給与が)分散して支給されると、キャッシュフロー(現金収支の流れ)が改善。(Q.従業員のデメリットは?)車・住宅購入、大きな買い物、旅行、まとまった資金を一度に確保しにくい。より計画的に貯蓄する意識が必要になってくる。仮に賞与(ボーナス)がなくなり、給与に成果が反映されにくくなると、成果に応じた還元が実感しにくくなる可能性。
今、物価高の中ですが月々の生活かまとまったお金か。
報酬制度の見直しは今後、どのように広がっていくんでしょうか。