横浜中華街の顔として街を彩ってきた老舗中華料理店。

シャッターが下ろされ、暗く静まり返っていました。

店先に、「突然のご連絡となりますが、当店は誠に勝手ながら、2025年5月20日をもって、閉店することになりました」という貼り紙が貼られていたのです。

地元の人からは「知らなかった」「地元の人にはあって当たり前みたいなお店。つぶれると思ってなかった…」と驚きの声が上がりました。

帝国データバンクによると、中華料理店の運営会社「聘珍樓」と関係会社が全ての事業を停止し、破産手続きを進める方針を明らかにしました。

負債額は2つの会社合わせて32億円を超えます。

中華街の顔ともいうべき店の破産は、地元の人に衝撃を与えています。

近隣の中華料理店:
えーまさか!!やめるという話も聞いてなかった。さみしい。聘珍樓さん頑張ってたのに…。

聘珍樓は明治17年に創業。
現存する国内最古の中華料理店として知られています。

破産した聘珍樓は長年人々の思い出を彩ってきました。

聘珍樓へ行ったことがある人:
おばあちゃんと一緒に行ったよね。家族みんなで。「さすが聘珍樓。おいしい」 と話した記憶がある。好きなお店だったので残念。

なぜ、聘珍樓は破産に追い込まれたのでしょうか。

専門家は、時代の変化に乗り遅れてしまったと指摘します。

フードジャーナリスト・山路力也さん:
中華街は昔、高級中華料理店が並ぶ街だったが、今はインバウンドも観光客も増え、食べ放題などリーズナブルな店が流行。老舗であるが故に動きたくても動けなかったり、動くにしてもスピード感が追いついていない傾向は感じる。

また1つ消えてしまった老舗の看板。
時代は曲がり角に来ているようです。