熊本など南九州3県の防衛・警備を担う陸上自衛隊第8師団の創隊63周年記念行事が先日、行われました。

会場の北熊本駐屯地では今年も、緊張が高まる南西諸島の離島防衛を想定した訓練が公開されました。

熊本、宮崎、鹿児島3県の防衛を担う第8師団の創隊63周年と北熊本駐屯地開設68周年の記念行事には駐屯地や装備の展示に多くの家族連れが訪れました。

近年、南西諸島への部隊配置を進める陸上自衛隊は、第8師団を有事の際には担当する区域外にも展開する『機動師団』と位置付けています。

観閲行進では離島での機動性に優れた自走式りゅう弾砲などが披露され、機動戦闘車を主力とする第42即応機動連隊が行進。師団が運用する偵察ヘリや戦闘ヘリによる編隊飛行も披露され、徳永勝彦師団長は強い部隊を目指す隊員に次のように訓示しました。

【徳永 勝彦 第8師団長】
「真に心が強いものは、階級や立場、年齢や性別で人を判断したりはしない。厳しい訓練の中で意識的にお互いを大事にすることで強い信頼関係で結ばれた組織をつくり上げたい」

そして、駐屯地上空には偵察ヘリが現れ、離島へ上陸してくる敵を想定した訓練が始まります。

【訓練ON】
「侵攻する敵の部隊が上陸し、我の部隊が占領している台に向かって攻撃します」

防衛の空白地帯とされてきた南西諸島防衛を強く意識した訓練展示の規模は年々増し、「力による一方的な現状変更から領土を守る」という防衛力の向上を目指す姿勢をアピールしました。

緊張感のある訓練に続いて会場に登場したのは災害派遣でも活躍する重機。

この日のために練習を積んだ隊員が操るバケットの先には巨大な筆。音楽隊の演奏に合わせて現れた文字は南九州の平和と安定への願い。

厳しさを増す安全保障環境に立ち向かう姿勢を来場者に誓いました。

テレビ熊本
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