農業分野と福祉分野が連携する「農福連携」は、農業の人手不足の解消と障害者が働く場を広げる取り組みです。敦賀市内では15日、障害者福祉施設の利用者がコメを栽培する農業法人でイネの苗箱を洗う作業を行いました。
敦賀市にある農業法人「ミライスつるが気比」では、市内の約80ヘクタールの田んぼでコシヒカリやハナエチゼンなど10種類のコメを作っています。
15日は、敦賀市の障害者福祉施設「野坂の郷」の利用者ら5人が作業場で苗箱の洗浄に取り組みました。
敦賀市では、農作業の担い手不足の解消と障害者の働く場を広げるため、2017年から両者をつなぐ事業を行っています。現在は、市が福祉施設に支払う作業費を負担していますが、ゆくゆくは支援なしに連携できることを目指しています。
利用者たちは2時間かけて、約200の苗箱をたわしと洗浄機で洗って泥を落としていました。
ミライスつるが気比の小林伸吾主任は「今の時期は田植えや田んぼの準備、草刈りなど色々な作業が重なり人手が足りていない。本当に助かっている」と話します。また
福祉施設、野坂の郷の馬渕喜代彦さんは「農業に携わることは、外で作業できるので利用者にとっても良い機会」とウィンウィンの関係を強調していました。
「農福連携」による苗箱の洗浄は4月下旬から行われていて、7月中旬まで続きます。
県は「農福連携」へのサポートをしていて、障害者を受け入れる事業所への補助金を出し、2025年度からその対象を農業だけではなく、林業、水産業に拡大しています。