「今年も暑くなりそうだ…」ーー梅雨入りを前に、じわりと汗ばむ日が増えてきた今日このごろ。いよいよ携帯用扇風機やネッククーラーなど“暑さ対策グッズ”の出番だが、その手軽さの裏には、思わぬ危険が潜んでいる。

手軽さの裏に危険が潜む
手軽さの裏に危険が潜む
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爆発して凶器に…携帯用扇風機に潜む思わぬ危険

「ハンディファン、持っています」「首に巻くやつ、冷凍庫で冷やして使ってます」。熱中症対策として街の人が気軽に持ち歩く暑さ対策グッズ。しかし、思わぬけがをするおそれがある。

ネッククーラー
ネッククーラー

突然、激しい音を立てて爆発する携帯用扇風機。中の部品が飛び散り、一瞬にして凶器と化す。ーー製品評価技術基盤機構(NITE)が公開した実験映像の1シーンだ。

激しい音を立てて爆発する携帯用扇風機(提供:NITE)
激しい音を立てて爆発する携帯用扇風機(提供:NITE)

NITEによると、携帯用扇風機は地面に落とすなどの強い衝撃で、内蔵のリチウムイオン電池が破損・変形し、最悪の場合、破裂や発火に至る危険性があるという。手軽さゆえに雑に取り扱いがちだが、ちょっとした油断が大きな事故につながりかねない。

リチウムイオン電池が破裂・発火に至る危険性も
リチウムイオン電池が破裂・発火に至る危険性も

ネッククーラーにも注意を

では、首元を冷やすネッククーラーはどうか。実はこちらも安心はできない。「ネッククーラーをつけていたあたりが赤くなってかぶれたような感じでかゆくなりました」と話す女性。

ネッククーラーで肌にかゆみがでた女性
ネッククーラーで肌にかゆみがでた女性

調べてみると製品内部の冷却液が漏れ出していたという。直接肌に触れるものだけに、NITEは使用前に破損や液漏れがないかを必ず確認するよう強く注意を促している。

内部の冷却液が漏れ出していないか確認を
内部の冷却液が漏れ出していないか確認を

「まだ5月」は通用しない! 暑さに慣れるまでは注意

「本格的な暑さはまだ先」と思っている人も多いだろう。だが、福岡市消防局のデータによれば、熱中症による救急搬送は7~8月がピークだが、5月の時点でも搬送される人はいるという。

熱中症による救急搬送者数(福岡市消防局・2024年)
熱中症による救急搬送者数(福岡市消防局・2024年)

福岡大学病院救急治療センターの喜多村泰輔医師は、暑さが本格化する前のこの時期特有の危険性を指摘する。「冬の間、体は汗をかきにくい状態に慣れてしまっています。これが急に暑くなると、うまく汗をかけずに体内に熱がこもりやすくなる。体が暑さに慣れるまでは、特に注意が必要です」。

福岡大学病院救急治療センターの喜多村泰輔医師
福岡大学病院救急治療センターの喜多村泰輔医師

専門医が伝授…今こそ始めるべき「暑熱順化」トレーニング

ではこの時期、我々は何をすべきなのか? 喜多村医師が推奨するのが「暑熱順化(しょねつじゅんか)」だ。これは徐々に体を暑さに慣らしていくことで、本格的な夏に向けて熱中症になりにくい体を作るというもの。

「暑熱順化」の取り組みを
「暑熱順化」の取り組みを

「具体的には少し外で運動する。ウォーキングで30分ほど。また、40度くらいの少し熱めのお湯に15分ほど浸かるのも効果的です。サウナも良いと言われていますね」(喜多村医師)。

ウォーキングなど軽い運動がおすすめ
ウォーキングなど軽い運動がおすすめ

日常生活の中で無理なく取り入れられるこれらの習慣が熱中症への対策となりそうだ。

(テレビ西日本)

早めに熱中症対策を
早めに熱中症対策を
テレビ西日本
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