価格低下でクロマグロのランチ提供が実現
世界有数のマグロ消費国の日本。高級魚として知られるクロマグロが、安く食べられるようになるかもしれない。

14日、イット!が取材したのは、東京・中央区にある海鮮居酒屋「たいこ茶屋」。ランチタイムのマグロ食べ放題に向けて準備の真っ最中だ。この脂の乗ったマグロ、普段とひと味違うという。
たいこ茶屋・嵯峨完大将:
今日はクロマグロをランチで出します。今日のお客さんはラッキーだと思います。

マグロの中でも「海のダイヤ」とも呼ばれる、マグロの王様「クロマグロ」は、普段なかなかランチで出すことはないというが、提供できる理由は、仕入れ価格の変化にあった。
たいこ茶屋・嵯峨完大将:
去年と比べて1割から2割くらいは安くなっていると思います。お値段が安くなればランチでも出せるので、店としては大変嬉しいですよね。

最新の東京豊洲市場のマグロの卸売価格は、去年の同じ時期(5月2日〜8日)と比べると、3割も安くなっている。
2025年から太平洋でのクロマグロの漁獲枠が広がり、取れる量が増加したことで、価格も下がっているとみられる。
「クロマグロ」ランチの客:
すごく脂が乗ってて美味しいです。
「クロマグロ」ランチの客:
身が大きくてプリプリで美味しいです。新鮮で。
「クロマグロ」ランチの客:
すごく美味しいですね、すぐなくなっちゃいました。
“黒潮大蛇行”終息で漁場回復に期待
一方、太平洋側では8年ぶりにある変化が起きていた。

14日午前7時頃、鳥取県の境港で水揚げされたのは、日本海で獲れた天然のクロマグロだ。去年よりも1週間早い、初水揚げとなった。
一方、太平洋側では約7年9か月続いた「黒潮大蛇行」に、ある変化が起きていた。

気象庁によると、2017年8月以降、黒潮が紀伊半島から東海沖で南に大きく湾曲して流れる大蛇行の状態となっていた。
しかし4月後半から大蛇行が見られなくなり、収束する兆しがあるという。大蛇行が収束すると、漁獲量に変化は起きるのか?

近畿大学 世界経済研究所・有路昌彦教授:
(大蛇行で)ネガティブな影響を受けていたところは、多少元に戻っていく可能性はありますので、漁場によってはいい効果をもたらすかなと考えられます。
(「イット!」5月14日放送より)