7月19日は「土用の丑の日」だが、2025年は少し安く食べられそうだ。ただ、その一方で価格高騰が心配されているのが和牛。なぜなのか取材した。

19日は「土用の丑の日」

19日に控える「土用の丑の日」。
その主役である夏のスタミナ食「ウナギ」が、今後、安くなる可能性がある。

静岡・清水町「うな繁」
静岡・清水町「うな繁」
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訪ねたのは静岡県にある老舗のウナギ料理店「うな繁」。
身はふっくら、皮は香ばしく焼き上げられたウナギが人気だ。

訪れた人は「最高!」「ここのウナギ、ピカイチですね。本当にうまいです」と話す。

値段を気にせず食べたいところだが、そうもいかない。
 

訪れた人からは「年に1回っていう感覚。安くなれば旦那がウナギ好きなので、年に2回とかに増やせるからうれしいかなと思うんですけど」といった声も聞かれた。

国内稚魚豊漁&中国産ウナギでダブルの恩恵?

すっかり高級品のイメージが固まったウナギ。
なぜ2025年は安くなる可能性があるのか。

フジテレビ・智田裕一解説副委員長:
国内でのウナギの稚魚が豊漁なのに加え、大量に供給していた中国がトランプ関税の影響でアメリカに輸出しにくくなり、その分のウナギが日本にやってくる可能性もあります。こうしたダブルの恩恵で値段は下がる傾向にあります。

2024年は不漁だったウナギの稚魚「シラスウナギ」が2025年は豊漁。

さらにトランプ関税の影響で、中国からアメリカに輸出されるはずだったウナギが日本に来ることで、安くなる可能性があるというのだ。

成田空港には16日、中国や台湾などから輸入されたウナギ約2トンが届き、順次、首都圏のウナギ店に出荷される予定だ。

和牛は仕入れ値上がり続け…

一方で、今後の価格が心配されている食材があった。

フジテレビ・智田裕一解説副委員長:
ウナギが安くなる可能性がある一方で、和牛が今ピンチなんです。

東京・江東区の「和牛焼肉なんぎょう」
東京・江東区の「和牛焼肉なんぎょう」

値上がりへの不安が高まっているのは和牛だ。
その味を存分に楽しめる都内の焼き肉店「和牛焼肉なんぎょう」では、お客さんが「おいしい!」を連発していた。

訪れた人は「おいしいです。結構肉肉しいです。歯ごたえある。肉食っている感じします」と話した。

「和牛焼肉なんぎょう」の一番人気「和牛のミスジ」
「和牛焼肉なんぎょう」の一番人気「和牛のミスジ」

このお店の一番人気は、和牛のミスジ。
さっとあぶり、卵の黄身と絡めていただく。

そのほか、ジューシーな和牛ハラミなども人気だという。

店で扱うほとんどの牛肉が和牛。
しかし、2024年の末の開業以来、和牛の仕入れ値は上がり続けているという。

和牛焼肉なんぎょう・塩加井穣店長:
仕入れ値はだいたい月でいうと1万~2万円くらいは上がっています。これ(仕入れ値)がまたずーっと上がってくると、ものによっては値上げをせざるを得ないかなと思っています。

2024年から子牛の価格2割上昇

なぜ和牛の仕入れ値が上がっているのか、取材班は千葉県内の牧場を訪ねた。

千葉・富里市の井村牧場では、黒毛和種の千葉牛を飼育。

餌にもこだわり、地元の落花生を使用しているという。

牧場のオーナーは、今後の値上がり要因について次のように話す。

井村牧場・井村幸雄代表:
子牛を買って千葉で育てる。子牛というのは去年から上がっている、2割くらい。仕入れ価格からすると10万円から15万円くらい上がった。

オーナーが挙げたのは、子牛の仕入れ値の高騰だ。

黒毛和種の子牛価格は2024年から右肩上がり。
6月の価格は、前の年の約53万円より10万円以上も高い約64万円だった。

中国政府が日本産牛肉の輸入再開の動きも

さらに懸念されているのが、トランプ関税の影響だという。

フジテレビ・智田裕一解説副委員長:
トランプ関税の影響で日本から輸出しにくくなる上に、関税によるアメリカの物価高の影響で円安が進むと、飼料価格はさらに上がっていきます。和牛農家にとってはダブルパンチになります。

今後の価格予想で明暗が分かれるウナギと和牛。
一方で、和牛に関しては、中国政府が日本産牛肉の輸入を再開する動きもあり、今後の価格の推移が大いに気になるところだ。
(「イット!」7月17日放送より)

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