農水省は12日、スーパーのコメ5kgあたりの最新の平均価格が4214円だったと発表した。コメの価格が高止まりとなる一方で、コメを主材料にしたおにぎり市場は拡大している。専門店は5年で2倍以上に増え、異業種も参入。政府は備蓄米放出要件を緩和し、価格安定を図る方針だ。

「おにぎり専門店」5年で2倍以上に急増

12日午後、全国のスーパーで販売されたコメ5kgあたりの最新の平均価格が発表されたが、コメの価格は高止まりしている。そんな中、ある市場が成長を続けているようだ。

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テーマは「コメ高騰の中おにぎり専門店が増加 ソレってどうなの?」だ。

12日午後に農林水産省が発表したコメの価格は、前の週より19円低い4214円だった。18週ぶりの値下がりとなったものの高止まりとなっている。

そんな中、なぜかコメを使用した「おにぎり市場」は成長中だ。おにぎり専門店は、ここ5年で2倍以上に増えているという。飲食店以外にも様々な業態が相次いで参入している「おにぎり市場」を取材した。

取材班:
こちらのおにぎり、「スリコオニギリ」と書いてあって、値段を見てみますとほとんどが324円です。

訪れたのは、手頃でおしゃれな300円アイテムが並ぶ「3COINS」とコラボしている東京・品川区のおにぎり店だ。

ここには日本各地の郷土料理をテーマにした「鮭のちゃんちゃん焼き」や「高菜ゆずめんたい」など、10種類のおにぎりが並んでいる。毎日50個ほどが、お昼過ぎには売り切れるという。

買えた人:
通りがかりに見たらおいしそうだと思った。コンビニで売っているおにぎりとは(ご飯の質が)違う。

買えなかった人:
前見たときは買わなかった。後で気になったから今日見たら完売だった。1回食べてみたい。

「3COINS」によれば、特に観光客や外国人が多い原宿にある本店の販売個数が増えているという。

3COINS担当者:
日本の食文化の中心となっている「おだし」と、ソウルフードの「オニギリ」を楽しんでほしい。

こうした動きは他の企業でも出てきている。炊飯器メーカーの象印マホービンも2022年、おにぎり専門店を大阪市内にオープンさせた。最上位機種の炊飯ジャーで炊かれたご飯が売りで、多い日には1日700個以上を売り上げる人気ぶりだという。なぜメーカーなのにおにぎり店を始めたのか、担当者に聞いた。

象印マホービン 広報部・濱田捷彦さん:
最近ライフスタイルなどが変化・多様化する中で、日本国内でコメの消費量が減少しているという現状を受けて、自宅だけではなく、おいしいご飯を食べてもらう。日本のご飯文化を守ってもらうという思いを持っている。内食でも外食でもない「中食」業態でおにぎりの事業をやることになった。

2025年9月には、大阪市内に2号店をオープンさせるという。

他にも大手カフェチェーンの「コメダ珈琲」を手掛けるコメダも、2025年2月におにぎり専門店をオープンさせている。

18週ぶり値下がりも「買うのに躊躇します」

青井実キャスター:
橋下さん、値段は1個300円前後ですが、安くはないかもしれないですが、味で勝負ですかね?

SPキャスター・橋下徹氏:
良いことだと思いますよ。今、人口減少でコメ離れになってコメの消費量が減る、だから減反政策をやっていたけど、どんどんこういうおにぎりが売れてくれれば皆さん儲かるし、何といっても食料自給率も上がるから大賛成ですよ。

青井キャスター:
おにぎり業界全体が、盛り上がっていくということですよね。

一方、18週ぶりに値下がりとなったコメの価格について、街の人に聞いた。

街の人:
今までに比べて倍くらいになってるので、家計としては厳しい。

街の人:
非常に高いです。とても高くて、前に比べるとかなり上がっているので、買うのに躊躇します。

街の人:
(子供が)大学で一人暮らししてる。その子も宮崎なのですが、お米が高いといってお米を送ってます。

政府は備蓄米を7月まで放出する方針を示している。価格が下がらない状況なども踏まえ、入札に参加する際の要件を緩和することも検討している。

この緩和によってコメの価格が落ち着くのか、今後も注目だ。
(「イット!」5月12日放送より)

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