コメの価格高騰が止まらない。

5月7日の農水省の発表によると、 スーパーマーケットで販売されたコメ5キロ当たりの平均価格は4233円となり、またもや最高値を更新、17週連続の値上がりとなっている。
備蓄米も放出されているはずなのだが、なぜ、価格は下がらないのか。

■「コメ価格は高止まり」 備蓄米も「1回入ってきてそれっきり」
きょうの「旬感LIVEとれたてっ!」では街のスーパーから中継で、現場の実情を聞いた。
東大阪市内のスーパーことぶき小阪店には坂元龍斗リポーターがいる。
近隣でも「安い」とうことで有名なスーパーだが、コメコーナーを見てみると…。
坂元龍斗リポーター:一番安いお米で、5キロ4280円です。おコメが5キロ4000円を超えてくるのに本当にびっくりします。
店長の中瀬肇さん詳しく話を聞く。
(Q.高い状態が続いてますね)
スーパーことぶき 中瀬肇店長:そうですね。もうずっと高止まりって感じです。
(Q.去年の同じ時期と比べると?)
スーパーことぶき 中瀬肇店長:倍近くになってきてますね。
去年はまだ2000円台だったものが、今4000円台になっているということだ。
(Q.入ってきてはいる?)
スーパーことぶき 中瀬肇店長:入ってくは来るんですけどね、例えば10本注文して、7本とか、出荷調整かかってるのかなみたいな感じ。(Q.前まではそんなことなかった?)全くないですね。
(Q.備蓄米は入ってきてる?)
スーパーことぶき 中瀬肇店長:4月の2週目に1回100本入ってきたんですけど、もうそれっきり。あとは連絡も何もなく、全く来ない状態ですね。
お弁当、おにぎり、パックご飯などのコメを使用した商品も値上がりしているということだ。

■値段が下がる見通しは「全くない」とスーパー店長
スタジオの青木源太キャスターも質問する。
青木源太キャスター:コメ売り場の前でのお客さんの反応などは?
スーパーことぶき 中瀬肇店長:やっぱり売り場で値段見て、『ああ、高いな』っていうのは、表情に出ておりますね。
(Q.仕入れはね店長お米以外も上がってるわけですよね)
スーパーことぶき 中瀬肇店長:そうですね、仕入れ値がもう切り上がってますので。
(Q.今後のお米の価格が下がる見通しは?)
スーパーことぶき 中瀬肇店長:全くないですね。次の8月に次また新米が出てくるまでは、もう全く下がる要因が全く感じられないですね。
(Q.コメの代わりに他の主食が売れてるのでは?)
スーパーことぶき 中瀬肇店長:意外とそうでもない。若干は上がってくると思うんですけども、やっぱりなんといっても日本人の主食お米なんで。

■専門家が口をそろえて「値段は下がらない」 9月以降も高くなる可能性も
いつ・どれぐらい安くなるのか?専門家の予測を聞いた。
農作物の流通に詳しい折笠俊輔さんによると、
・一般流通米(普通のお米)はそもそも高い値段で仕入れているので、当分値下がりしない
・備蓄米は5月下旬から流通かと見られていますが、5キロ3500円から4000円
備蓄米でも良いなら、多少値段は下がりそう、普通のお米を食べたければ、値段は下がらないという。
もう一人、別の専門家にも見解を聞いてみると。
東京大学大学院の鈴木宣弘特任教授によると、「備蓄米をすべて放出しても、コメの不足感を解消する量ではなく、今後も価格は下がりにくい」という。「さらに新米の値段は、作付け段階(ことし春)で、既に小売り価格5キロ4200円相当で、契約済みの農家もあるということで、9月以降も高くなりそう」という見立てだ。

古市憲寿氏:そもそも、政治がお米の値段を上げよう上げようとしてきたわけです。要は一部の農家さん守るために、減反と言って、田んぼの量を減らして、どんどん需要と供給のバランスを国があえて調整して、値段を上げてきたわけですよ。上げてきたわけだから、別にそれはそうでしょうって話ですよ。本当にコメの値段下げたいんだったら、関税を下げて、海外からもお米を自由に輸入できるようにして、備蓄米制度もやめて、完全に市場の流通に任せれば値段が下がるんですよ。
でもそれを政治がずっと拒んできて、一部の農家さんを守ろうとして来たってことの帰結なんで、やっぱ政治が値段あげたんでしょとしか思えない。
青木源太キャスター:だとしたら政治はじゃあどうすればいいと?
古市憲寿氏:基本的には僕は例が分かんないですけど、本当にもう関税なんかやめちゃって、完全自由市場に任せると僕はいいと思う。でもそういうふうにも政党はいかないですよね、たぶん政治的にはね。
ジャーナリスト 鈴木哲夫氏:要するに農家を大事にする、農業を大事にするっていうのは、それは例えば選挙であれば、大事な支持層であったり色んな利権があった。だけど『農家を守り過ぎてたから自由化だ』って言って流れを0から100に一気に転換したような感じがあるわけです。だからみんながついていけない感じがある。古市さんがおっしゃる通り、これまでの政策がおかしかったんですよ。だから急にコメが上がったんじゃなくて、上がる流れを作ってきたので、そこを変えなければ、流通の仕組みとか、そういうところ全部変えなければ、根本的に解決しない。いま目の前で安くしようって対処療法やっても、何にもならない。
青木源太キャスター:減反政策って長年やってきたものだから、それを急に変えようとして、まためちゃくちゃ時間がかかりますよね。流通の制度も含めてということになると思います。

■「政府の対策に期待しない」が7割超 「選挙向けのパフォーマンス」と街の人
11日オンエアのフジテレビ「日曜報道」で石破首相はコメの生産調整について「コメの生産量は世界全体で約3倍。日本だけが生産を減らしてきた。高齢化や人口減少が進んでいるから、コメの生産が減っても仕方がないという考え方を、立ち止まって考えてみるべき」と述べた。
青木源太キャスター:食の洋風化が進んだということで、米を買う人が長い目で見ると減ってきたから、減反政策をやってきたっていう背景があると思います。
街の人はどう思っているのか?「旬感LIVEとれたてっ!」名物の緊急100人アンケート。
「政府の対策に期待する?」聞いてみました。 結果はコチラだ。
(※大阪市内で10~80代の100人に調査)
・「期待する」が19人
・「どちらでもない」が7人
・「期待しない」が74人
という結果になった。

◆期待する人の意見
・そもそも一朝一夕で解決すると思ってないし、少しづつでも進めてほしい(60代・年金暮らし)
・監督に食べろと言われているが、親に負担をかけて申し訳ない。早く安くしてほしい(10代・高校生)
◆期待しない人の意見
・備蓄米を放出した意味あった?価格が下がってないのが現実(30代・3児の母)
・その場しのぎでやってるだけ。選挙向けのパフォーマンス(20代・会社員)
・政治家の給料をコメに回せ(60代・アルバイト)
・そもそもスーパーにコメがない(40代・会社員)
青木源太キャスター:食べ盛りのお子さんが多くいるような家庭は本当に大変だと思います。

(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」2025年5月12日放送)