スペイン・ビラノバで10日、プール清掃用塩素70tを置く倉庫で火災が発生した。その影響で白煙が上がり、地元政府は住民15万人に自宅待機を指示した。約7時間後に鎮火され、地元当局は有毒性は低いとしている。出火原因として、リチウムバッテリーが漏電した可能性が指摘されている。
塩素70t保管していた倉庫で火災
工場の倉庫から白い煙が噴き上がっている。煙は有害物質が含まれる可能性があるとして、周辺に住む15万人に避難が呼びかけられる事態となった。
10日午前2時頃、プールの清掃などに使う塩素70tを保管していた倉庫で火災が発生した。現場は、スペインのバルセロナから南へ約40km離れた沿岸都市、ビラノバだ。
地元政府：
（化学反応で）生成された煙が、健康に悪影響を与える可能性があります。
地元政府は、消防士らの放水によって塩素が化学反応を起こした可能性があるとして、一時住民15万人に自宅にとどまり、窓を閉めておくよう指示を出した。
大きなマスクを着用した住民は、当時の様子をこう振り返る。
住民：
朝の5時半にスマホのアラームが鳴りました。窓やブラインドを閉め、午前中はずっと警戒していました。
火災原因「リチウムバッテリー」の漏電か
一方で、「体の異変」を訴える男性もいた。
住民：
ここまで来たけどこの通り、マスクをつけて目は真っ赤だし、まだ塩素の臭いが充満しているし、これからどうなるか分かりません。
住民15万人が約7時間に渡り、自宅から出られない事態に陥った。10日の午後には鎮火したが、この火災により2人が病院に搬送された。
地元消防当局が、鎮火後に上空から撮影した写真を見ると、塩素70tを保管していた倉庫の屋根が焼け落ちているのが分かる。
今回の火災について地元当局は、「有毒性はない」としている。火災の原因については、リチウムバッテリーが漏電した可能性が指摘されている。
（「イット！」5月12日放送より）
