事故から1週間、原因究明に向け動き出しています。秋田市の海浜公園で風力発電の風車のブレードが落下した事故を受けて9日、沼谷市長と発電事業者の社長が面会しました。沼谷市長は「共に原因を究明し、再発防止につなげたい」との考えを事業者側に伝えました。

この事故は、5月2日に秋田市新屋町の新屋海浜公園で「さくら風力」が設置した陸上風車からブレードが落下したものです。近くでは81歳の男性が倒れているのが見つかり、その後死亡が確認されました。男性の死因は体の複数の部分に重い損傷を受けた多発外傷とみられていて、警察が事故との関係を調べています。

9日はさくら風力の盛高健太郎社長が秋田市役所を訪れ、沼谷市長と面会しました。

さくら風力・盛高健太郎社長:
「地元の皆さまに多大なるご迷惑をおかけし、不安な思いをさせてしまいまして、誠に申し訳ございません」

秋田市・沼谷純市長:
「謝罪をしてもらいましたが、秋田市としては謝罪を受けるのではなく、事業者と一緒に今回の事故に関して原因を究明していく。それを次の教訓として、再発防止につなげていく立場だと思っている」

会合は冒頭だけ公開され、沼谷市長はさくら風力に対し「法律にのっとった設置や点検がなされていたか。なされていたとして現在の方法に不備はなかったかを明らかにしてほしい」と要望しました。

今回の面会は沼谷市長から申し入れたということで、市長は「一緒にこれから事故を大きな教訓としてどう次に進めていくか、どのような検証をしていくかについて事業者と信頼関係を持ちながらやっていかなければ。一方的に悪者にするだけではよくないと思ったので、直接会いたいと考えた」とその理由を語りました。

ところで沼谷市長は8日、風力発電事業を管轄する経済産業省を訪れ、事故原因の早期究明や安全基準の見直しなどを求める要望書を提出しました。

これを受け、武藤経済産業大臣は9日の閣議後の会見で「再生可能エネルギーの拡大にあたっては安全確保が大前提。今後、原因究明を踏まえて必要な安全対策の検討を進めていきたい」と述べた上で「引き続き地元自治体と連携しながら安全対策の確保に万全を期していきたい」との考えを示しました。

秋田テレビ
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