自民党の西田昌司参院議員は7日、国会内で記者会見を開き、沖縄の「ひめゆりの塔」をかつて訪問した際の説明などの印象として「ひどい。歴史を書き換えられるとこういうことになる」などと発言したと報じられ、批判が広がっていることについて、「私の意図とは無関係に切り取られた記事が誤解を生んで、非常に遺憾だ」「沖縄県民を傷つける意図はなかった。結果として傷ついた人がいるのであれば遺憾だ」と説明した。
西田氏は3日に行われた憲法改正に関するシンポジウムで、数十年前にひめゆりの塔を訪れた際の印象として、「今はどうか知りませんけど、ひどい。説明のしぶりを見てると、要するに日本軍がどんどん入ってきて、ひめゆりの隊が死ぬことになった。そしてアメリカが入ってきて沖縄が解放された。そういう文脈で書いている。歴史を書き換えられると、こういうことになっちゃう」などと発言したと新聞等に報じられ、「沖縄戦の実相をゆがめる」などと批判が広がっていた。
会見で西田氏は沖縄戦について、「終戦直前に沖縄がアメリカに占領されるという情報が入ってきて、これを何とかしなきゃいかんというので、日本軍が沖縄を守るために入ってきたけれども、結果的に戦争に島民の方々も巻き込まれて多くの犠牲を出した」と指摘した。
その上で、発言は憲法改正の前提として、大戦とアメリカの占領政策を説明する趣旨だったと主張し、「当時、展示を見た印象は、日本軍が入ってきてあの戦争が始まり、そしてアメリカが入ってきて、その戦争が終わり平和になったという文脈だ、私は感じたのは。それはあの歴史、あの戦争が一体何だったのかということをもう一度考えないと、そういう文脈では沖縄の方々は救われないんじゃないのかという趣旨の話をした」と説明した。
さらに「新聞の報道では違うような形で切り取られて出ている」と述べ、「勝手に切り取られた情報で、その記者の思い込みでその記事が作られて、報道がどんどん広がっていくというのに大変私は危うさを感じる」と述べた。
そして、「私の意図とは無関係に、切り取られた記事がこの誤解を生んできたことで、そこは非常に遺憾に思っている。そういうことで誤解のないようにしていただきたいと思っている」と語り、「沖縄県民を傷つける意図はなかった。結果として、傷ついた人がいるのであれば遺憾だ」と述べた。
ひめゆりの塔は、80年前の沖縄戦で犠牲になった沖縄師範学校女子部と沖縄県立第一高等女学校の生徒による「ひめゆり学徒隊」と教師ら計227人を悼んだ慰霊碑で、資料館と合わせ、沖縄戦の悲惨さを象徴する場所として多くの人が訪れている。