人の便を難病の治療や創薬などに活用するために提供する、国内初の「献便ルーム」が山形・鶴岡市にオープンした。

検査・適格性判断を経てドナーとして認定されると「献便」の協力ができる
検査・適格性判断を経てドナーとして認定されると「献便」の協力ができる
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潰瘍性大腸炎の治療薬開発に活用

“献血”ならぬ「献便ルーム」は、腸内細菌を活用して創薬などを行う鶴岡市のベンチャー企業「メタジェンセラピューティクス」が、鶴岡サイエンスパーク内に開設した。

マイクロバイオームサイエンスを活用した創薬・医療事業を手掛けるメタジェンセラピューティクスが設置
マイクロバイオームサイエンスを活用した創薬・医療事業を手掛けるメタジェンセラピューティクスが設置

ルーム内には便を採取するためのトイレが3つ設置されていて、便を提供するドナーがリラックスできるよう休憩所も設けられている。

“通いたくなるトイレ“をコンセプトとして、定期的に献便をしてもらえるような空間づくりを意識したという。

白を基調とした献便ルームには3つのトイレと休憩所が設けられている
白を基調とした献便ルームには3つのトイレと休憩所が設けられている

ドナーになるためには「18歳~65歳までの健康な人」「定期的に通える」などの条件のほか、病院での適格性検査をクリアする必要がある。

提供された便は難病の「潰瘍性大腸炎」の治療薬の開発などに活用され、1回あたり最大で5000円の協力金が支払われる。

献便を希望する人は、オンライン健康チェック・病院での検査・適格性判断などを経てドナーになることができる
献便を希望する人は、オンライン健康チェック・病院での検査・適格性判断などを経てドナーになることができる

庄内の食文化・“うんち”が世界中の難病患者を救う

「献便ルーム」は国内で初めての施設で、山菜など豊かな食文化が作る良質な「腸内細菌」に期待したことが、鶴岡市に開設した理由の1つになっているそう。

「庄内の食文化が世界を救うかもしれない」と話すメタジェンセラピューティクス・中原拓社長
「庄内の食文化が世界を救うかもしれない」と話すメタジェンセラピューティクス・中原拓社長

メタジェンセラピューティクス・中原拓社長:
今まで大事にしてきた食文化で世界の患者を救えるかもしれない。私自身もすごく興奮している。最初は不思議だなと思う話だが、きちんと一つひとつ説明する機会を設けさせていただき、みなさまにご協力いただきたい。

将来、庄内の“うんち”が日本・世界中の難病患者を救う医薬品になるかも
将来、庄内の“うんち”が日本・世界中の難病患者を救う医薬品になるかも

治療薬は、2026年に日本とアメリカで臨床試験を行い、2032年の承認・販売開始を目指していて、今後、開発を進めていくという。

(さくらんぼテレビ)

さくらんぼテレビ
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