山形・白鷹町で、特産のアユの天敵・ブラックバスを粉末にして土壌改良に活用する取り組みが行われている。新たにトマトの栽培で効果を検証しようと、関係者が集まり苗植えを行った。

特産のアユ守るため「釣り大会」でブラックバス駆除
魚粉を活用したトマト栽培の実証実験を行うのは、白鷹町中山地区の農家・土屋明美さん。
トマト畑の一部にブラックバスの魚粉をまき、通常の栽培との生育状況の違いを検証する。

こうした取り組みのきっかけとなったのが…。
町で5年前から行われている、特産のアユをブラックバスから守ることを目的とした「釣り大会」。

大会開始当初、釣り上げたブラックバスはすべて廃棄されていたが、最上川の環境保全活動などに取り組んでいる今野正明さんが、ブラックバスを粉末にして土壌改良に活用することを考えた。

魚粉による土壌改良でトマトがおいしくなるか検証
4月30日、トマトでの検証に取り組む土屋さんの畑に、魚粉の活用を考えた今野さんや町の関係者など約25人が集まり、トマトの苗220本を協力して植えていった。
土屋さんは、「自分は川に直接は関係していないですけど、こうして魚粉を使うことで、活動の一環として携わることができる。いろんな方がいろんな方面から携わってもらえれば」と話してくれた。

また、アユと同じく命ある魚・ブラックバスの有効活用を提案した最上川229ネットワーク共同代表の今野正明さんも、「みんなで楽しみながら解決の道を探ることが、地域おこし・地域の活性化にもつながるし、関係人口作りにも役立つ。そんなことを考えています」と語っていた。

30日に植えたトマトは7月上旬に収穫する予定で、果実のハリやツヤ・収穫量のほか、ジュースに加工した場合の風味や色の差など、魚粉の効果を詳しく検証することにしている。

アユにとっては天敵だったブラックバスが、地域の活性化・土壌改良によるトマトの質向上に一役買うことができるのか、行く末を見守りたい。
(さくらんぼテレビ)