ふっくらと、香ばしく焼き上げられた「うなぎ」。

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東京都内のうなぎ専門店が新たに提供を始めたのは、うなぎの名産地、静岡・浜名湖の組合が新しく売り出したブランドうなぎ「でしこ」だ。

新ブランドうなぎ「でしこ」が東京進出

ランチタイムに、その味を楽しんだお客さんは、「皮がパリッとしていて風味もあって、とてもおいしいウナギです」と満足げだった。

いったい何が違うのだろうか。

新ブランドうなぎ「でしこ」と従来の養殖ウナギ
新ブランドうなぎ「でしこ」と従来の養殖ウナギ

画面の左側が、新ブランドうなぎの「でしこ」、右が従来の養殖ウナギ。
見た目で違いはわからない。

しかし、「でしこ」には、従来のウナギと決定的に違う特徴があるという。

鰻 北白川・長久保稔料理長
鰻 北白川・長久保稔料理長

鰻 北白川・長久保稔料理長:
今までの(ウナギ)と違ってメスに。メスに9割くらいなるということで、そこがかなり大きいかなと。肉厚と脂ののり具合と、脂の質もかなり違うと思います。

「9割がメスになる」とは、どういうことなのか。
「でしこ」を育てる浜名湖養魚漁業協同組合に話を聞いた。

浜名湖養魚漁業協同組合販売課・山本さんによると、養殖で飼育されたウナギは基本的にはオスだという
浜名湖養魚漁業協同組合販売課・山本さんによると、養殖で飼育されたウナギは基本的にはオスだという

浜名湖養魚漁業協同組合販売課・山本さん:
養殖で飼育されたウナギは、基本的にはオスのウナギとなっています。

ウナギは、成長の過程で性別が分かれるが、これまでの養殖では、なぜか9割がオスになっている。

「大豆イソフラボン」を餌に入れたところ、9割がメスに成長したという
「大豆イソフラボン」を餌に入れたところ、9割がメスに成長したという

そこで愛知県水産試験場が、女性ホルモンと構造が似ている「大豆イソフラボン」を餌に入れたところ、オス・メスの比率が逆転し、9割がメスに成長した。

浜名湖養魚漁業協同組合販売課・山本さん:
メスの特徴としまして、脂の乗りが良くて皮目が薄くて、大きく育てても身が硬くならなかったりします。

メスはオスの2倍近くまで成長させても身がやわらかいという
メスはオスの2倍近くまで成長させても身がやわらかいという

オスは大きくなると身が硬くなりがちだが、メスはオスの2倍近くまで成長させても身がやわらかいという。

番組ディレクターが食べてみると、皮はパリパリで身がふっくらとしていて、とてもおいしいかった。

メスは肉厚な分、焼き上げるのに時間がかかるとのことだが…。

鰻 北白川・長久保稔料理長:
これが脂ですよね、全部出てきている。

うまみ成分も、メスの方が多いという。

「鰻 北白川」が都内で「でしこ」を使う初めての店だという
「鰻 北白川」が都内で「でしこ」を使う初めての店だという
浜名湖の養殖池は約400カ所から20数カ所まで減少した
浜名湖の養殖池は約400カ所から20数カ所まで減少した

鰻 北白川・長久保稔料理長:
うちが浜名湖の組合を通して使用させていただくのは(都内で)初めて(の店)ということで、できるかぎりおいしいものを提供できるように精進していきたい。

浜名湖の名物として名高いウナギ。
しかし最盛期に約400カ所あった養殖池は現在、20数カ所にまで減少したという。

エサ代や電気代などの高騰による経営難が続く中、浜名湖の養殖業者は、新たなブランド「でしこ」で収入アップを図りたい考えだ。
(「イット!」5月2日放送より)

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