色鮮やかな野菜がたくさん入ったスープカレー。
“サラリーマンの街”東京・新橋にあるスープカレー専門店は、食材の高騰が止まらぬ中、耐え忍んでいたーー。
カレーに欠かせないジャガイモ「1個75円が今1個120円台に」
取材で訪れたのは、東京・新橋にあるスープカレー店「ガネー舎のスープカリィ」。

店の「とり野菜カリィ」(1700円/税込み)は野菜たっぷりのスープカレーだ。
リポート :
店内に入ると…美味しそうなカレーの匂いが漂ってきますね。みなさん野菜たっぷりのスープカレーを味わっています。
20代女性 :
野菜がたくさん入っているメニューなのですごくバランスがいいなと思って頼みました。
暑くなり始めた今こそ、スタミナ満点!栄養たっぷりの野菜が味わえるカレーが食べたくなるが…カレー店のオーナーから聞かれたのは“嘆きの声”だった。

「ガネー舎のスープカリイ」米山幸彦店主:
ジャガイモに関しては1個75円が、今は1個120円台まで上がっているので結構大変な状況ですね。

農林水産省によると「じゃがいも」や「にんじん」、「たまねぎ」の5月の価格は、雨が少なく生育が遅れたことなどにより、平年を上回る価格で推移するとしている。
「ガネー舎のスープカリイ」米山幸彦店主:
(野菜の)量も変えれないですし、サイズも小さくできない。“ボリューム”があって“ゴロゴロ”というのがうちの“売り”
野菜の高騰は人気のスープカレーも直撃していて、欠かすことのできない“主役たち”の仕入れ価格が上がっているという。
仕入れ値高騰は野菜だけではなく鶏肉にも…
さらに価格高騰は野菜だけではなく肉にも及んでいた。

「ガネー舎のスープカリイ」米山幸彦店主:
鶏肉も困っていまして、アメリカの鳥インフルエンザの影響で鳥が入ってこない状況に陥ってまして、業者から「5月いっぱいで鶏がなくなるかも」と言われて…。

こちらの店では「米」は農家との通年契約で高騰の影響はなく、スープに溶かしている「たまねぎ」は横ばいだそうだが、じゃがいもの仕入れ価格は1.6倍、にんじんは1.2倍、人気のピーマンは1.4倍となり、さらにメインの鶏肉までもが1.3倍に高騰しているという。
それでも店主は値上げをせずに踏みとどまっている。

「ガネー舎のスープカリイ」米山幸彦店主:
本来であれば、多少でも値上げをしたいなと思っているんですけども…やっぱりお客さんのことを考えるとなかなか値上げが難しいので、ちょっと我慢するしかないかなと。
値上げせずに踏みとどまっているという店主。
“お店のファン”になったというお客さんからは、
(30代男性)「おいしいものにはしかるべき対価はお支払うべきだと思うので、私は全然来ます」
(30代女性)「自炊だと野菜高くてカレー作るのお金かかるので、こんな美味しいカレーがこの価格で食べれるのはまた来れたらいいなと」…といった声が聞かれた。
止まらぬ食材の高騰で“国民食”カレーも“贅沢品”となってしまうのか。
5月1日から家庭用の「カレールー」も値上がりし、気軽に食べられなくなってしまうかもしれない。
今後、暑さも厳しくなり、野菜の生育にさらに影響を及ぼす可能性があり、農水省は「天候による影響を十分に注視していく」としている。
(「イット!」 5月1日放送)