越前市の武生看護専門学校の卒業生ら4人が、複数の教職員からのパワハラ被害を訴えている問題について、学校を運営する武生医師会は2024年11月に第三者委員会を設置し調査を行ってきました。その報告書がこのほど公開され、教職員から「一部不適切な言動が数カ所確認された」と結論づけています。
   
武生看護専門学校のパワハラ問題を巡っては2024年10月、当時の学生3人と卒業生1人が、2021年から24年にかけて複数の教職員から暴言を吐かれたり、威圧的な態度などを取られたことで、うつ病の診断を受けるなど精神的苦痛を受けたとして、パワハラに関する申出書を、学校を運営する武生医師会に送付しました。
  
2024年11月には武生医師会が第三者委員会を設置し、聞き取り調査などを進めてきました。
  
このほど公表された報告書では、男性教員について「普段から『あほやな』と口癖で言ってしまうことがあった」ことが認められました。
  
また、女性教員が着替えている更衣室で男子学生が指導を受けたことについては「もう少し配慮すべきだった」などと学校側の見解が示され、合わせて5件について「一部不適切な言動が数カ所確認された」としました。
   
この内容を受け、武生医師会の林秀樹会長は「教職員による不適切な言動が数件確認された事実を重く受け止め、再発防止はもとより、学生一人一人の人格を尊重した教育、円滑なコミュニケーション形成に誠意を持って努めていく所存です」とコメントしています。
          
福井テレビでは、パワハラ被害を訴えた卒業生ら4人のうちの1人Aさんに、報告書についての受け止めを聞きました。
  
パワハラ被害を訴えるAさん:
「私たちの主張が一部とはいえ、認定されたことには安堵している。(当時)学生として安心して学ぶ権利を奪われたことは辛かったが、少し報われたように思う」
   
その一方で、ノートを机に叩きつけられたことや、大声で怒鳴られたことなどは調査書に反映されませんでした。
  
パワハラ被害を訴えるAさん:
「全部が認められなかったことは、すごく悔しく悲しい思い。(今後は)武生医師会に対して謝罪を求めていく。ハラスメント防止策について具体的な内容を教えてもらいたい」
 
取材したAさんは、この件について福井地方法務局にも人権救済を求め、すでに調査を依頼していて、その結果を踏まえ、今後も武生看護専門学校を運営する武生医師会に謝罪文やパワハラ防止の具体的対策を求めるとしています。

福井テレビ
福井テレビ

福井の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。