現代アートの祭典、瀬戸内国際芸術祭が4月18日に開幕しました。6回目となる今回は、岡山と香川の島々を中心に過去最多の17のエリアで250点を超える作品が展示されます。今回は初めて会場となった坂出市の瀬居島の魅力を紹介します。

普段は、静かな瀬戸内海の島々が非日常を提供する広大なミュージアムにその姿を変えます。個性豊かな作品の数々と島の魅力に触れる現代アートの祭典が3年ぶりに帰ってきました。

4月18日に開幕した「瀬戸芸」。6回目となる今回は、岡山と香川の島々を中心に過去最多となる17のエリアが舞台となり春、夏、秋の3つの会期で250点を超える作品が展示されます。

瀬戸大橋を臨む坂出市の瀬居島。1960年代に埋め立てが進み、今は、陸続きとなっていて車で渡ることができます。今回、「瀬戸大橋エリア」の一つとして初めて瀬戸芸の会場になりました。

島で展開されるのが「瀬居島プロジェクト SAY YES」閉校した島の幼稚園、小学校、中学校などを舞台に16人の作家たちの作品が展示されています。

【上村卓大/見えるものと見えているもの】
・完全な球体ではないBB弾を表現

【小瀬村真美/自然の/と陳列】
・理科室の器具などを再配置し写真で表現

【狩野哲郎/既知の道、未知の地】
・「鳥」の視点を取り入れた作品を展開

【伊東誠/空気穴】
・空気穴のように作品は「ここ」と「別の場所」をつなぐ」

プロジェクトのディレクターも務める中崎透さんの作品は、島の住民などから聞き取ったエピソードをモチーフに幼稚園に残されたものなどを使い島の様々な物語を表現しています。

(アーティスト 山本晶さん)
「こちらが『山を見る』で一番奥にあるのが対になる『海を見る』」

透明感のあるパスカルカラーが印象的な油絵は、山本晶さんの作品、「海を見る山を見る」です。山本さん自身が山と海から見た瀬戸内海の印象を4枚の油絵などで表現しています。

(アーティスト 山本晶さん)
「これは防波堤と山並み、両脇にあるのが島一つの場所にいてもその時同時に見ているものを描こうというところもあった『何かこれ私知っている』とかそういう感じで絵解きではなく『これは私が知っているあれかもしれない』と推理してもらいたい」

(アーティスト 福田惠さん)
「この子たちは仲の良い学友だが今はちょっとけんかしている学んでいる子供たちのイメージで制作した」

中学校に残された楽器や備品、そして、テレビや電球、扇風機で表現するのは、私たちが作り出せるエネルギーの限界値。扇風機を回したり電球をつけているのは、太陽光で発電した電気です。

(アーティスト 福田惠さん)
「明かりを手に入れたことで人が長く活動できるようになったそれはすごい発明だったがそれがどんどん過剰になっている現代社会を(電球は)一つ象徴しているものだと思う未来を私たちがどうつくっていくのかということに思いをはせたりそういうきっかけになればいいと思う」

このほかにもそれぞれの作家の個性があふれるバラエティー豊かな作品が訪れる人を迎えてくれます。

【袴田京太朗/アフリカの母子と闘う女の子】
・アフリカ・マリの母子像と発光するのは女の子の頭部

【早川祐太/いるもの】
・様々な現象を介して抽出された『かたち』を展開

(訪れた人)
「おもしろい作品があって 景色も良くて良かった。(瀬戸芸は)行くたびに新しい作品があって新しい発見があるのがすばらしい」
「 異空間な感じがするのが良かった。見方によっていろいろな考え方ができるのが おもしろい。牧歌的な雰囲気の中にアートがマッチしていて 瀬戸内でしかできない芸術祭だと感じた。旅を楽しみながら アートを楽しめて、食も楽しめる。」

瀬戸大橋エリアでは、4月12日にリニューアルオープンした東山魁夷せとうち美術館も新たに会場に加わっていて、日本画家の岡村桂三郎さんと新恵美佐子さんの世界観を楽しむことができます。

新たな見どころも加わり魅力を増して帰ってきた現代アートの祭典。風光明媚な島々で過ごす非日常のひとときにどっぷりと漬かってみてはいかがでしょうか?

岡山放送
岡山放送

岡山・香川の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。