宮崎市の視覚支援学校の中学生、鈴木旬介さんが、世界的なピアニストとして知られる辻井伸行さんと面会することになった。鈴木さんは独学でピアノを学んだ全盲の中学生ピアニスト。5月に宮崎市で開催される宮崎国際音楽祭に地元の銀行から招待を受けた。旬介さんのひたむきな姿に感銘を受けた頭取が夢の懸け橋となった。
宮崎国際音楽祭へ招待

明星視覚支援学校中学部1年 鈴木旬介さん:
ぼくは中学1年の鈴木旬介です。
緊張した面持ちで自己紹介する明星視覚支援学校中学部1年の鈴木旬介さん。

そんな旬介さんに、宮崎太陽銀行の黒木浩頭取から宮崎国際音楽祭のイベントの一つとして開かれる演奏会のチケットが贈られた。5月3日に宮崎市のメディキット県民文化センターで開かれる「宮崎国際音楽祭」のメインプログラムのひとつ、『輝き ふれあい 宮崎太陽銀行Presents 「新しい地平へ」~最強の二人と仲間たち』音楽監督をつとめるヴァイオリニスト・三浦文彰さんと、全盲のピアニストで世界的に活躍している辻井伸行さんなど4人によるコンサートだ。

鈴木旬介さんは、宮崎市の明星視覚支援学校に通う中学1年生。生まれて8カ月の頃から両目ともにまったく視力がない。2歳のときにピアノに出会い、独学でピアノを習得した、全盲の中学生ピアニストだ。旬介さんが奏でる音色は多くの人を魅了する。UMKテレビ宮崎では3月にローカルニュース「#Link」で、ひたむきにピアノに取り組む旬介さんの姿を紹介した。

このニュースを見て、旬介さんの姿に感銘を受けた宮崎太陽銀行の黒木浩頭取が、演奏会への招待を提案した。

宮崎太陽銀行 黒木浩頭取:
世界中を旅していろんな人に聴いてもらって、元気が出るような、そんなピアニストになりたいという話を聞き、ぜひ何かきっかけになればと思って…
旬介さんからお礼のピアノ演奏

そんな黒木頭取に、旬介さんからピアノ演奏のプレゼントが。

宮崎太陽銀行 黒木浩頭取:
本当にいい音色で、聞いて感動した。
この春、中学生になった旬介さん。生活が変わり、最近は練習があまりできていないものの、ピアノ好きは健在のようです。
明星視覚支援学校中学部1年 鈴木旬介さん:
ちょっとしか練習してません。
Q.ピアノは好きですか?
はい!
今回の演奏会では、黒木頭取の提案で、旬介さんと辻井伸行さんとの面会が実現することになった。憧れのピアニストの演奏、そして面会に、旬介さんは胸を躍らせます。

明星視覚支援学校中学部1年 鈴木旬介さん:
ピアノの音を楽しみにしています。
旬介さんは将来について、「世界を回るピアニストになるのが夢。たくさんの人にピアノを届けたい」と話している。演奏会は、5月3日午後3時からメディキット県民文化センターで開かれる。辻井さんとの面会は、旬介さんにとって、ひとつの夢の実現。そして、次の夢への大きなステップになるのではないだろうか。
(テレビ宮崎)