日本時間17日の午前5時半ごろ、日米交渉に先立ち、赤沢亮正経済再生相とトランプ大統領との会談がホワイトハウスで行われました。

この記事の画像(12枚)

赤沢大臣が日本を発った後に、急きょ日米交渉にトランプ大統領も出席すると発表されるなど、波乱含みの米国訪問となりましたが、会談では謝意を伝えつつ、米国側が要求する内容を丁寧に聞き取るなどしたとみられます。

会談後、トランプ大統領はすぐさまSNSを更新。「日本の交渉団と会談できて大変光栄に思う。大きな進展だ!」と投稿しました。

FNNワシントン支局・千田淳一支局長によると、トランプ氏のこのような動きは「異例中の異例」だといいます。

FNNワシントン支局 千田淳一支局長:
カウンターパートではない大臣に、大統領が1時間という時間を割くのは異例中の異例となりますので、日米交渉を早期にとりまとめたいトランプ氏の動きが全面に出た動きと言えます。

――トランプ大統領が急きょ交渉に参加した理由は?
ホワイトハウスの関係者は取材に対し、合意が近くなければ大統領自ら参加することはないと。大統領は時間を無駄にすることはないとも語っていまして、交渉が前進する可能性にも言及しています。さらに、トランプ大統領が交渉の場に出るということは、世界が注目するということになりますので、交渉に時間をかけたい日本に対し、いち早く交渉をまとめて成果を得たい、そうした考えがあるのではないかと。
米国メディアでは、日本をきっかけに各国との交渉を迅速にまとめて、中国を孤立化させる展開にいち早く持ち込みたい狙いがあるという分析もされており、トランプ政権としては相当な意欲を持ってこの交渉に臨んだと言えると思います。

日米交渉終了後、赤沢大臣は記者たちの取材に応じ、改めてこの問題について全力で取り組んでいく考えを示しました。

赤沢亮正経済再生相:
(会談で)私からは首相のメッセージとして「日米双方の経済が強くなるような包括的な合意を総意に実現したい」との考えを伝えました。トランプ大統領からは、国際経済において、米国が現在置かれている状況について率直な認識が示されました。また、米国の関税措置についても、率直に述べられつつ、「日本との協議が最優先である」というご発言がありました。その上で両政府間で協議を続けていくことを確認したところです。
その後の日米協議においては、米国の関税措置は極めて遺憾であると申し上げ、我が国の産業や日米両国における投資雇用の問題に与える影響について我が国の考えを説明した上で、米国による一連の関税措置の見直しを強く申し入れたところです。

今般の協議の結果、日米間で以下の一致を致しました。
双方が率直かつ建設的な姿勢で協議に臨み、可能な限り早期に合意し首脳間で発表できるよう目指すことが1つ。2番目が次回の協議を今月中に実施するべく日程調整をすること。そして、3番目が閣僚レベルに加え事務レベルでの協議も継続すること。今回の協議も踏まえつつ引き続き政府一丸となって、最優先かつ全力で取り組んで参りたいと思います。

「やりきった」交渉の手応えは?

赤沢大臣と自民党の同期でもある、「サン!シャイン」のスペシャルキャスター杉村太蔵氏は、交渉後の赤沢大臣の姿を見て「手応えはあったのではないか」と話します。

スペシャルキャスター 杉村太蔵氏:
やりきったという感じがしますね。
赤沢大臣の表情を見るに、手応えはあったのではないかと。特に次回協議を今月中にやるという話はすごくポジティブですね。

キヤノングローバル戦略研究所 峯村健司氏:
今月はあと2週間くらいしかないので、それでやるというならペースでいうと相当速いペース。(具体的な内容が)要求として出てきたんだろうなと。率直という言葉を何度もおっしゃっていたので、かなりダイレクトな要求が来たという意味で解釈をしていいかと思います。

スペシャルキャスター 杉村太蔵氏:
これから、米国側の発信をよくチェックしておかないといけない。大臣はこう言っているが、米国側はどういう発信をするかというのが次の注目ポイントかなと。
赤沢大臣としてはやるべきことをやったのではないかと。ですからここから先、米国側からどんな発表、声明がでるか。特にトランプさんは朝令暮改が当たり前なので、仮に全然違うことが出てきても、あまり慌てることなくじっくり交渉することが重要なんじゃないかなと。

遙洋子氏:
トランプさんを商売人と例えますと、商売人VS官僚ですよね。どっちが勝つかというと、商売人の方が巧みですよね。ですから、今回対応してくださった、すぐ会ってくださった、約束を得たことで、あまり浮かれると、相手の方にメリットを与えすぎるジャッジを下しかねないなと。そこは気をつけた方がいいなと。
(「サン!シャイン」 4月17日放送)