トランプ関税をめぐり、17日から赤沢経済再生相と米ベッセント財務長官による関税・為替交渉が始まる。アメリカに米を輸出している業者は不透明な関税に振り回されているという。また円高ドル安を進めたいトランプ政権の影響が訪日観光客にも影響し始めている。
いよいよトランプ関税交渉へ
総理官邸内の小ホールに16日午後4時過ぎ、石破首相が小走りで現れた。アメリカ議会の「日本研究グループ」議員団の表敬訪問を受けていたのだ。
会場は日米の友好ムードに包まれたが、記念撮影での石破首相はどこかさえない表情に見えた。

ワシントンで始まるトランプ関税を巡る日米交渉の行方が、頭をかすめていたのだろうか。
その交渉役を務める赤沢経済再生担当大臣は…
赤沢経済再生担当大臣:
どんな分野が対象になるか。相手もあることだし、交渉の内容に関わることなのでコメントは差し控えさせていただきたい。

赤沢大臣とアメリカ・ベッセント財務長官らとの間で、日本時間の17日から協議が行われる。果たしてどの分野が交渉のテーブルに乗るのかも、関係者にとって大きな関心事だ。
イット!は、アメリカなどに米を輸出している新潟県の米販売加工業者に話を聞いた。

エコ・ライス新潟 富永有代表:
もう振り回されていますよね。(トランプ大統領のニュースを)夜中起きて見ています。だから寝不足になりますよね。
この業者は、2018年からアメリカへ米を輸出し始め、輸出先の7割をアメリカが占めるまでになった。しかしトランプ関税の発動で、2025年度はアメリカへの輸出をゼロにすることを決定。

それ以降の輸出をどうするかは、日米交渉の結果も見て判断したいというが、米の関税が協議されるかどうかも不透明なままだ。
エコ・ライス新潟 富永有代表:
(関税)10%でいくのか、プラス24%でいくのかを、はっきりしてもらわないと対応できないんです。もう時間との勝負になっています。

交渉の可能性があるのは、特定の業種にとどまらない。赤沢大臣の交渉相手であるベッセント財務長官は「円とドルの為替」について、次のように言及した。
ベッセント財務長官のX(7日付):
関税、非関税障壁、為替問題を巡る今後の建設的な協議に期待します。
インバウンドに円高の影響は…
円高ドル安を進めたいとされるトランプ政権だが、この半月あまりで為替市場では円高が加速している。その影響は、日本を訪れる外国人観光客にも微妙に表れはじめている。
東京都庁を取材してみると…

記者:
あちらを見てください。行列ができています。外国人観光客の姿がたくさん見られます。
東京都庁の展望台に向かう人の大行列だ。賑わいを見せているのは、無料で東京の景色が一望できるためなのだろうか。

外国人観光客らに、トランプショックが影響しているか聞いてみた。
デンマークから来た女性:
多分ちょっとはね。みんなお金を何に使うか、もうちょっと慎重になった方がいいかも。
ワシントンから来た男性:
買い物をするよりも、観光して思い出を持ち帰りたいね。
南アフリカから来た男性:
今はそんなに変わってないと思うけど、6カ月後ぐらいが心配だよ。

日米交渉で「ドル高の是正」が議題に上った場合、その結果次第では、インバウンド客の動向に変化を及ぼす可能性もある。
日米両国が何を話し合うのか、注目が集まっている。
(「イット!」4月16日放送より)