長野・阿南町の町役場では職員が、てんてこまいになるほど“ある問い合わせ”が殺到していた。
その理由を取材した。

9000円の寄付に対し、1袋6キロが…

職員:
あ、ふるさと納税ですね。

ひっきりなしに電話が鳴り響く理由は、ふるさと納税の返礼品としてもらえる“米”。

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職員:
4口、寄付をいただけるということです。

早くも2025年度の新米を返礼品とした寄付の受付が、15日からスタートした。
問い合わせが殺到しているワケは、その金額。

9000円の寄付に対し、1袋6キロが届く。

一般的な“返礼米”の価格は、5キロで1万2000円から1万5000円ほどなので、非常に割安。

“超お得”な阿南町の“返礼米”は、確保可能な120トンで締め切る予定だが、受け付け開始から2日目の16日、申し込みは95トン以上となり、すでに8割が埋まっている状況。

では“返礼米”の人気が高まることで、市場の価格に影響はないのか?

宇都宮大学農学部 小川真如助教:
直接的に関係ありますよ。(要因の)1つはやはり、ふるさと納税だと思う。スーパーに届くお米が減る分、価格は上がりますよね。

専門家の小川さんによると、農家は「ふるさと納税用」にたくさんのお米を用意。
しかし、市場の動向を探るため、残りの米は卸さずに確保。
結果、「小売り店」などに卸される量が減り、市場価格が上がるという。

一方で、大きな影響は出ないという指摘も。

農業ジャーナリスト 宇都宮大学農学部 松平尚也助教:
現状ではそこまで影響はないかなと。今増え始めたばかりなので、具体的な影響は分からない。地域によっては、流通量・取引に少し影響する可能性もあるのかなと。

さらに国内の“返礼米”だけでなく、海外にも“お得な米”があった。

「韓国のお米 日本の半額で買える!」
「先月10キロ約2900円ぐらいで買った」

いま、SNSで「韓国の米が安い!」と話題に。

投稿者に話を聞くと、「以前は日本の方が韓国より断然より安くて羨ましかったが、今は逆転して嬉しい!」とのこと。

韓国旅行で10キロ4000円の米を見つけた人:
味は日本のお米と全く変わらないですね。持って帰りたいですよ!半額ですもん!。息子の家とか、子供がたくさんいるのでお土産にお米は喜ばれると思う。「韓国こんなにお米安いんだよ!私たちもっと怒らないとダメだよ!」というアピールをしたくて。

一方で、農業ジャーナリストの松平さんによると、個人輸入では100キロまでであれば、無料で持ち込めるため、“超お得”にゲット出来る。
ただし、農水省に届け出が必要で、虚偽の届け出をした場合は20万円以下の罰金を科されるため、注意が必要。

止まらない米の高騰。
“返礼米”や“韓国米”が、食卓のピンチを救うかもしれない。
(「イット!」4月16日放送より)