トランプ関税を巡る日米交渉がいよいよ始まろうとしている中、交渉役を任された赤沢経済再生相が注目されている。これまでアメリカとの交渉は、橋本氏や茂木氏など自民党内の実力者が務めてきた。今回担当する赤沢経済再生相に対し、実務能力が期待される一方で、石破首相との“距離の近さ”を指摘する声もある。
実力者が厳しい局面乗り越え…いよいよ日米交渉へ
いよいよ始まるトランプ関税を巡る日米交渉。その交渉役を任されたのが赤沢経済再生相だ。

15日午後、赤沢経済再生相は「何が国益に資するのか、何が最も効果的か考え、全力で対応してまいる」と日米交渉への意気込みを語った。

これまでも貿易を巡り、激しい対立を繰り返してきた日米両国だが、厳しい局面を実力者が乗り越えてきた。

日米の貿易摩擦が激しさを増していた1995年、アメリカとの自動車協議を任されていたのが当時、通産相だった橋本龍太郎氏だった。

橋本通産相(当時):
間違いなしにカンター通商代表と議論をするのは忍耐力がいること。後は礼儀正しくこれが行われるように期待する。

剣道の有段者だった橋本氏は、アメリカの通商代表が差し出した竹刀を喉元に当てるパフォーマンスを披露。

アメリカの要求に立ち向かう姿勢で交渉を進め、後に橋本氏は首相へと上り詰めた。

また第1次トランプ政権の際に日米貿易協定の協議に臨んだのが、当時の茂木経済再生相。
トランプ氏から「タフ・ネゴシエーター(手ごわい交渉相手)」と呼ばれていた。
期待の一方で石破首相との“距離の近さ”指摘の声も
自民党内の実力者として知られていた橋本・茂木両氏に対して、今回の対米交渉役である赤沢氏は、石破政権で初入閣した。

赤沢氏は2005年、いわゆる“小泉チルドレン”の1人として初当選。

運輸省の官僚時代には、日米の航空交渉を担当したこともあり、実務能力が期待される一方、永田町で際立つのは同じ鳥取県選出議員である石破首相との“距離の近さ”だ。
“最側近”としてこれまでの総裁選では、石破氏への支持集めに奔走してきた。

2024年、念願の石破総裁が誕生した際には「1回目の議員票が開いたときは(票が少なく)くらっときて『私の責任だな』と本当に思った。結果よければ全てよし」と喜びをあらわにしていた。

赤沢経済再生相がアメリカとの交渉役を務めることに政府・与党内からは「日米間の航空交渉やってた人ですからね」と、期待の声がある一方で「結局、石破さんが信頼できるのが彼だったんでしょう」との声もある。

試されるその実力。赤沢氏は16日から訪米する予定だ。
(「イット!」4月15日放送より)