3月に放出された備蓄米を含むブレンド米の販売が、新潟県内の小売店でも始まった。ただ、流通経費などがかさみ、期待されていた価格を押し下げる効果は小さいようだ。

精米に時間も…“備蓄米”含むブレンド米が店頭に!

新潟県内のコメの小売店でも、店頭に備蓄米を含むブレンド米が並び始めた。

備蓄米を含むブレンド米
備蓄米を含むブレンド米
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コメの価格高騰を招く流通の停滞を解消しようと、政府が3月に放出した21万tの備蓄米。

長岡市でコメの卸・小売りを行う野上米穀でも4月11日に、1袋5kgのコメ100袋、合計500kgを入荷した。

ただ、備蓄米を玄米で入荷することはできず、野上米穀に入る前の段階での精米に時間がかかったため、予想よりも入荷時期が遅かったという。

野上米穀の野上茂会長は「思ったより遅れた。コメの不足感がある中で、だいぶ間が空いた。それでもそんなにひっ迫感がない状況なので、平穏に販売しているというところ」と現状について話す。

5kg3530円のブレンド米「備蓄米としては高い」

販売されているブレンド米の袋を見ても、備蓄米であることは分からず、原産地やとれた年も記載はない。書かれているのは精米の時期のみだ。

原産地やとれた年の記載なし
原産地やとれた年の記載なし

ただ、野上米穀で扱うブレンド米は、古米ではなく2024年の秋に新潟県内でとれたコメが使われているという。

販売されているブレンド米について野上会長は、次のように話す。

「令和6年産のゆきん子舞などの新潟県のコメだけで作ったものだから中身は良い。ただ、もうちょっと安かったらお客さんも喜んでくれると思うが、なかなか流通経費もかかって結構高い仕入れ値になっている」

ブレンド米の価格
ブレンド米の価格

コメの価格を下げることが備蓄米放出の目的だったが、流通経費などがかさみ、野上米穀ではブレンド米5kgを3530円で販売。最も安く販売されているこしいぶきは5kgあたり3750円のため、その差はわずか220円だ。

価格に対しても野上会長は、「ちょっとこれは備蓄米としては高いなあと。残念に思う」と肩を落とす。

政府は25年7月まで、毎月備蓄米を放出することを決めているが、野上会長はコメの不足に対する放出量が足りておらず、価格抑制の期待感は薄いと話す。

「多少はいいだろうが、潤沢に余るほどのものではない。豊作になって昔のように余裕が出てくればいいが、2年~3年続けて不作なので、今年こそは豊作を願うだけ」

コメが適正な価格に落ち着くまでは、まだ時間がかかりそうだ。

(NST新潟総合テレビ)

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