アサヒが「飲む人も飲まない人も楽しめる」スマドリ戦略の一環として、韓国・ソウルへの進出を発表した。若年層を中心に、日韓でトレンドの循環と新たな飲酒スタイルの広がりを狙う。専門家は、食とエンタメを通じた双方向の市場創出に期待を寄せる。
アサヒ“スマドリ”で若者文化つなぐ
アサヒが新たな“スマドリ戦略”で目を向けたのは、韓国だった。

アサヒビールは、アルコールを飲む人も飲まない人も楽しめる「スマートドリンキング」、“スマドリ”をコンセプトにした期間限定のバーをオープンすると発表した。

アサヒは3年前から、東京・渋谷センター街で「SUMADORI-BAR SHIBUYA(スマドリバーシブヤ)」を運営しているが、今回のバーでもノンアルコールや、低アルコール飲料を提供する。

若年層をターゲットに、全国3カ所に加え、韓国・ソウルでも展開する。

アサヒは、「日韓の20~30代の間で、近年、トレンドの相互作用が起きていると」分析していて、韓国から日本の若者へのトレンドの循環を狙う。

スマドリ・高橋徹也 社長:
飲む人も飲まない人もみんなが楽しめる社会をつくるのが大前提。飲まない人も楽しめるような社会を作っていければ。
オープン期間中に1万人の来場者を見込んでいる。
若者文化が生む「好循環」新たな消費と市場創出へ
「Live News α」では、デロイトトーマツグループ執行役の松江英夫さんに話を聞いた。
海老原優香 キャスター:
スマドリの取り組み、どのようにご覧になっていますか。

デロイトトーマツグループ執行役・松江英夫さん:
面白いと思います。日本だけでなく韓国にも広がると、「インバウンドとアウトバウンドの好循環」という効果が期待できます。
まず日本は、スマドリに関して、商品のラインナップや飲み方、シーンの多様性が1つの強みです。そして、韓国の若い世代を中心に、スマドリへの関心が伸びています。
例えば、日本の食文化に憧れる韓国と、韓国のエンタメに興味がある日本がつながると、好循環が期待できます。
海老原キャスター:
「インバウンドとアウトバウンドの好循環」とは、具体的にはどのようなことでしょうか。
デロイトトーマツグループ執行役・松江英夫さん:
まず、日本は食文化の多様性が強みなので、韓国からのインバウンドの観光客が新たな食体験を日本でして心を打たれると、持ち帰って韓国の国内需要、日本にとってはアウトバウンド需要につながることが期待できます。
最近の例では、蓋を開けると泡が湧きたつ「生ジョッキ缶」が韓国からの訪日客にウケて、SNSで広がり、韓国で大ヒットしたというエピソードがあります。
韓国エンタメの影響が日本の需要を刺激
海老原キャスター:
これから韓国側でスマドリが広がると、どういった影響があるのでしょうか。

デロイトトーマツグループ執行役・松江英夫さん:
韓国側で、例えばエンターテイメントで絡めて、K-POPのミュージシャンが素敵な飲み方をすると、日本のファンにとっても影響を与えて、日本の国内需要につながる効果も期待できます。
日本と韓国の間で、インバウンドとアウトバウンドが相互に循環することによって、今までなかったような、両国の中で新しいマーケットができるといった効果に、ぜひ期待したいと思います。
(「Live News α」4月11日放送分より)