日本海を望む越前海岸沿いに、水の神様を祭る神社がある。近くには透き通った湧き水の池があり「福井版モネの池」と呼ばれ隠れた名スポットとなっている。

住民たちの“命の水”
越前海岸に面した福井市長橋町にある「水分神社」。祠の下からは、とうとうと清らかな水が湧き出ている。
先祖代々守り続けられている神聖な湧き水は農業用水にも使われ、住民の生活に直結した“命の水”だ。週末には水をくみに訪れる人が絶えず、県外からもこの水を求めてやってくる。
湧き水にまつわる言い伝え
鳥居をくぐると、神社の境内に相撲の土俵が。水分神社には、ある言い伝えがある。
昔、1人の尼さんがあまりの暑さに水浴びをしたところ、弁天さんの怒りに触れて水が枯れてしまった。すると「相撲を取ったらどうか」とのお告げがあり、お告げ通りに相撲をとったところ、再び水が湧き上がったという。

以来、毎年6月24日には、水への感謝の思いを込めて水神様への奉納相撲が行われ、約160年以上続く伝統の神事となっている。

神社の近くには福井版“モネの池”
神社のすぐ近くには湧き水の池が。エメラルドグリーンに透き通った池には、ゆったりと泳ぐコイの姿があり、その美しさから「福井版モネの池」とも呼ばれている。

枯らすことなく長年守り続けられてきた湧き水の地へ足を運べば、優雅な光景に心安らぐひとときとなるだろう。
