京都の観光名物「保津川下り」での転覆事故から28日で2年。
乗っていた29人が川に投げ出され、船頭2人が死亡した。FNNは、事故の瞬間を捉えた映像を独自入手。花見シーズンに急流下りを楽しんでいた際に起こった、痛ましい事故の一部始終が捉えられていた。

目の前に木の棒…事故直前の緊迫した様子

2年前の28日、京都・亀岡市で保津川下りの舟が転覆した事故。

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FNNが独自に入手した乗客が撮影していた映像には、舟が流れの速い急流を進む、事故直前の様子が収められていた。

事故が起きた瞬間、座っていた乗客の体が浮き上がり、目の前に木の棒が迫ってきている。

花見を楽しむ乗客の声が聞こえた次の瞬間、船頭たちが焦っているような声が聞こえてくる。

事故が起きたのは、保津川下りのスタート地点から15分ほど進んだ“大高瀬”と呼ばれる急流ポイント。舟には、勤続9年から30年の経験豊富な船頭が4人乗っていた。

事故で船頭2人が死亡・乗客は命に別条なし

翌日開かれた会見で、組合の担当者たちは事故の原因を「舵を持っていた船頭が、水をかく舵の動作で力が抜けていく、空振りの動作をしたと報告を受けております」と話した。

舟を操る「かじ」と呼ばれる船頭が操作を誤り、川に転落。
他の船頭が立て直そうとしますが、急流を抜けたところで岩にぶつかり転覆。

激しい衝撃で、引き揚げられた舟には大きな穴が開いている。

舟に乗っていた29人は川に投げ出され、船頭2人が死亡。
乗客19人はけがをしたが、命に別条はなかった。

乗客の1人は「亡くなった船頭の1人が体を水中から持ち上げてくれた」と話す。

事故から2年「このようなことが二度とないように」

事故からちょうど2年が経過した28日、死亡した船頭の死を悼み、慰霊式が行われた。
関係者ら約80人が集まり、改めて安全運航を誓った。

保津川遊船企業組合・豊田知八代表理事:
事故が起こった当時から、事故に対しての反省と改善と、安全対策をずっとやってきました。2年という時期を迎えて、引き続き気を引き締めて、このようなことが二度とないようにという思い。

舟の運航組合は、船頭が落下しないよう足元を固定する器具を舟に設置するなど、再発防止の対策を進めている。
(「イット!」3月28日放送より)

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