鹿児島市の平川動物公園の人気者、オスのホッキョクグマ・ライトが平川を去ることになった。向かうのは新たな繁殖を目指し、若いメスを飼育する北海道の札幌市円山動物園。鹿児島での公開最終日には全国からファンが訪れ、感謝の言葉や温かい声援を送っていた。
全国からファンが駆けつけた最終公開日
2025年3月23日午前8時半、鹿児島市の平川動物公園。
開園前にも関わらず、続々と人が集まってきた。
多くの人の目当てはホッキョクグマのライト・11歳だ。
東京から来たというライトのファンは「上目遣いな感じで出てくるのがここ(平川動物公園)では一番印象深い」とライトの特徴について話してくれた。

また、「金曜日から金、土、日と来ました」と話す大阪からのファンは「(鹿児島最後の日に)なんと声をかける?」との問いに「鹿児島に来て良かったね!行ってらっしゃい、かな」と、思いを語った。
鹿児島ラストも元気な姿でファンの前に
23日、平川動物公園での展示最終日を迎えたライト。
部屋から姿を現すと、約30人のファンが見つめる中、鹿児島での最後の公開がスタート。ライトは元気よくエサを食べはじめた。


開園直後から、全国から駆けつけたファンがライトのもとへと集まる。
手作りの応援ボードとうちわを持参で来園した女性は「悲しいですね…ぜひ北海道からもう一回帰ってきてほしい。あ、見てますね!ほらほらほらライトくーん!」と、名残惜しそうに語る。
ライトはというと…猫のような格好で寝そべってウトウトしたり、プールに入って遊んだり。最後の日もマイペースだ。


和歌山生まれの人気者
2013年、和歌山県のアドベンチャーワールドで生まれたライト。人工保育で大切に育てられたライトは、将来の繁殖を目指し2023年3月に平川動物公園にやって来た。



ライトにとっては初の屋外展示。暑い夏には氷のプレゼントをもらったり、大きなブリを一匹まるごとプレゼントされたりと、私たちにたくさんの笑顔を届けてくれた。


ライトとお別れの日。
展示場の裏では、ライト飼育担当の蒲地エリナさんが最後のご飯タイムの準備をしていた。

蒲地さんは「あんまりドキドキするとライトがいつもと違うって察するかもしれないので、できるだけ平常心でいこうと頑張ってます」と話した。
午前11時半、最後のご飯タイム。
「(観覧者が)多いですね。皆さん来てくれて良かったです」と蒲地さんが語っていると、ライトファンの親子が近づき、「今までありがとうございました」と声をかけると、ライトへの別れの手紙を託した。


「すごくうれしいですね。心が打たれるというか」と、蒲地さんは感動した様子だ。
刻一刻と、別れの時間が近づく。そして…
「ライトありがとー!」「元気でねー」「バイバイ、ライトー」「北海道でも頑張って!」
ファンが別れの声をかける中、午後5時、ライトはゆっくりと部屋に入り、鹿児島での展示が終了した。


鹿児島市から来たファンは「(北海道でも)楽しい人生を送ってもらいたい。何とか貯金をして会いに行きたい」「(ライトも)悲しんでる感じがした。ライトくん北海道で元気にしててね」と、ライトに対する思いを語り、北海道でも多くの人に愛されることを願っていた。
飼育担当の蒲地さんは「たくさんの方に愛されていたんだという、うれしい気持ちもあります。(展示場が空きになってしまうのは)寂しいですけど、これがホッキョクグマの現実ということなので、ライトが頑張ってくれることを期待しつつ、ここに動物が入ってくれることを期待したい」と語った。

ライトありがとう。
いってらっしゃい!
ライトは3月中に陸路で札幌市円山動物園へ移動する予定だ。
(鹿児島テレビ)