災害時に必要なデータをハトが運ぶ…そんな“救援バト”を作り出すためにハトの研究を続けている大学生がいるーー。
きっかけは北海道胆振東部地震
小屋の中で群れをなしている…無数のハト。
中嶌健さん:
親のハトだけで100羽以上はいます。

ハトのお世話をするのは、中嶌健さん(22)。
災害に備えるため「ハトの研究」を行っています。

中嶌健さん:
ハトは、自分の生まれた場所を覚えるという性質が本能で備わっているので。昔は伝書バトとして使われていたように、ハトを飼って“救援バト”を作り出したい

電気がすべて遮断された状況下で、「被害状況」や「必要な支援物資」のデータなどを外部に運ぶ通信手段。それが“救援バト”です。
研究のきっかけとなったのは、2018年に起きた「北海道胆振(ほっかいどういぶり)東部地震」です。
中嶌健さん:
地震が起きた場所一帯がブラックアウトしてしまう状況だったので。

電気すらほとんど使えない状況になった時に、ハトだったら電気を使わないで情報通信ができる。

中嶌さんは、“救援バト”の実現のため、GPSを付けたハトを飛ばし、飛行データを収集。
災害時、確実に情報を届けられるようハトの帰還率や飛行経路などを解析しています。
中嶌健さん:
災害時は100%帰ってこないといけないと思うので。
障壁があったとしても乗り越えて帰ってこられるようなハトを作る。

たくさんのハトを飼育していた父の影響で、幼少期からハトに囲まれて育った中嶌さん。

“災害時に誰かの力になりたい”と高校1年生から“救援バト”の研究を続けているのです。
中嶌健さん:
今は電気がないと生活がままならない状況なので、電気に依存しすぎない社会を目指していければいいのかなと思います。
ハトによる情報通信の実現のため、中嶌さんの活動はあすも続きます。
(「イット!」 2月28日放送)