韓国史上“最悪レベル”の山火事が発生から7日目を迎えたが鎮火のめどは立っていない。国内各地で同時多発的に発生し、その数は74箇所にもなる。これまでに死者27人、重軽傷者32名となり、今も被害が拡大している。

韓国山火事7日目…強風や乾燥の影響で鎮火のめど立たず

韓国・慶尚北道の山を上空から撮影した映像。

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山が真っ赤な炎に包まれているのが分かる。

韓国の山火事は発生から7日目を迎えたが、勢いを増し、収束のめどが立っていない。

25日にオンラインコミュニティーに公開された、消火活動する消防士のボディーカメラ映像。

危険な状況を隊員たちは体を低くして耐えていた
危険な状況を隊員たちは体を低くして耐えていた

防火服を着た消防士を煙と破片が入り混じった激しい風が襲う場面で、危険な状況を隊員たちは体を低くして耐えていた。

燃え盛る火の手を前に、26日も夜を徹して行われた消火活動。

韓国政府によれば、南東部の慶尚(キョンサン)北道などで被害が拡大し、死者は27人に。重軽傷者は32人に増えた。

懸命な消火活動が続いているが、強風や乾燥の影響で鎮火のめどはいまだに立たず。

山火事の影響範囲は約3万6000ヘクタールに上ると推算されている。

住宅や寺院などへの被害は320カ所余りに及び、約3万7000人が避難を余儀なくされている。

避難者は「避難所に来て5日目だけど、体調もかなり崩して苦しい。全国が火に巻き込まれるのではないかと心配です」と話し、ボランティアは「避難者の数がどんどん増えて、館内にいる消防士の食事も準備しているので食料が足りなくなってきた」と話す。

山火事は、先週末から韓国各地で同時多発的に発生している。

当局のポータルサイトによると、21日から27日までに国内で発生したのは実に74カ所。

首都ソウル近郊でも相次いでいて、3月にこれほど大規模な山火事が相次いだのは10年ぶりだという。

22日に慶尚北道で白い煙の柱が立ち上っているのが確認できる
22日に慶尚北道で白い煙の柱が立ち上っているのが確認できる

山火事の被害が拡大している韓国南東部の衛星写真では、22日に慶尚北道で白い煙の柱が立ち上っているのが確認できる。

26日には煙が立ち上る箇所が広がり、山火事が広がっていることが分かる
26日には煙が立ち上る箇所が広がり、山火事が広がっていることが分かる

さらに3日後、そしてその翌日には、煙が立ち上る箇所が広がり、山火事が広がっていることが分かる。

現地のメディアは、被害地域には可燃性が高い松の木が多く植えられているため、被害が拡大している可能性があると伝えている。

1分間に4.5万リットルの水を放出できる装置も投入

期待されていた雨も降ったが、その後、弱まり延焼は続いている状況。

特別乾燥警報が発令されているうえに強風も予想される中、政府はヘリコプター120機以上を投入。

さらに大砲のような装置は、1分間に4万5000リットルの水を放出できる。

今後も乾燥した状態が続くと予想されていて、危機的な状況が続く可能性があるという。
(「イット!」 3月27日放送)

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