愛媛・今治市と岡山市の山林火災は発生から5日目になるが、鎮圧のめどはたっていない。各地で山火事が相次ぐ中、27日、三重・伊賀市で新たな山林火災が発生した。

三重・伊賀市で新たな山林火災

記者リポート:
伊賀市の火災現場です。田んぼの脇にある枯れ草が広い範囲で焼け焦げています。

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火は午後2時前に消し止められたが、約8000平方メートルが焼けたとみられ、70代男性が、けがをした。

住民「手の付けようがなかった」

一方、3月23日に、愛媛・今治市で起きた山林火災は、発生から5日目。
懸命な消火活動が続く中、火の勢いは弱まったが、鎮圧のめどは立っていない。

記者リポート:
山肌を見てみますと煙が上がっていますね。いったん燃えて焦げた木の幹は見えるが、今も火種が残っているんでしょうか。煙が何カ所も立ち上っている場所があります。
かなり広く煙が上がっています。木の上まで、このあたり一帯くすぶっているようです。火がくすぶっている場所が、山の斜面に残されているが分かります。

焼けた面積は、これまでに約442ヘクタールに広がっていて、住宅5棟、空き家6棟、倉庫など10棟が焼けた。

今治市と西条市では、引き続き3848世帯7494人に避難指示が出ている。

記者リポート:
25日の延焼で焼けてしまったという、こちらの建物。柱は真っ黒に焼け焦げ、瓦やガラスが散乱し、炎の勢いのすさまじさを物語っています。

住民:
目の前で燃えとるけん、どうも手の付けようがなかったものでね。見ての通りですよ、完全に燃え尽きた。思い切り燃えましたね。

専門家「雨が少ししか降らない場合、地表まで水届かないパターンも」

さらに、同じ時期に発生した岡山市の山林火災も、延焼の範囲が約565ヘクタールに拡大。
岡山県内の山林火災としては、過去最大規模となっていて、鎮圧のめどはたっていない。

住民が期待しているのは「天の恵み」で、27日は九州の各地で激しい雨となった。

予報では、これから夜にかけて、今治市や岡山市でも、まとまった雨になる見込み。

記者リポート:
午後4時を過ぎました。雨がポツポツと降ってきました。消防隊が今のこの場所に到着しましたが、山の上を見ますと白い煙が上がっています。今日見た中ではかなり勢いが強く煙が上がっている場所です。

住民:
20mm以上降ってくれたらいい。3ミリや5ミリじゃいかん。

しかし専門家によると、雨が降っても、量によっては油断できないという。

京都大学防災研究所・峠嘉哉 特定准教授:
本当に少ししか降らない場合は、木の上の葉っぱのところで水が止まってしまって、地表まで水が届かないというパターンもある。火種が残っている限り、風が強く吹いたりすると火種が新たな火災になって、延焼を始めるリスクは常にある。

今治市の山林は、いまも地中に火種が残っているとみられ、あちこちで煙が立ち上っている。

京都大学防災研究所・峠嘉哉 特定准教授:
やっぱり火種というのは、雨が降った後も水がしみこみにくいところに残ったりするもの。この火種を完全になくすまで、鎮火の作業、消防活動は続いていくんだろうと思う。
(「イット!」 3月27日放送)

追記:中村時広知事は27日午後の「愛媛県災害対策本部会議」で県の山火事について「鎮圧の背中が見えてきた段階」と発言。今治市では夕方に少し雨が降り、明日28日朝にかけてまとまった雨が降る予報で鎮圧に期待が高まる。(27日午後6時57分更新)