大分県で、収穫前のキャベツやブロッコリーがヒヨドリに大量に食べられる被害が相次いでいる。連日約500羽が畑に押し寄せ、野菜の3割が出荷不能となる農家もあった。夏の猛暑で山の木の実が不足したことも一因という。

ヒヨドリの大群が収穫直前の野菜を襲う

この春、大分・日出町の畑で収穫を控えた農作物が食い荒らされる被害が相次いでいる。ブロッコリーやキャベツなど、ほとんどの葉がボロボロの状態だ。

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直売所を営む農家の畑では、収穫前の野菜が食い荒らされたことで販売が出来なくなってしまっている。食い荒らした犯人は鳥だった。

直売所 産徳園・徳久裕司さん:
例年2月くらいからヒヨドリが来るが、今年は特にひどいです。

ヒヨドリは全国に生息する鳥で、1月から3月頃を中心に農作物を食い荒らすと言うが、今年は特に深刻な状況だ。

農家では被害を減らすため、大きな音でヒヨドリを追い払おうとしているが、多い時で500羽もの群れでやってくるため効果はあまりなく、収穫前の野菜の3割ほどが被害にあったという。

直売所 産徳園・徳久裕司さん:
(野菜が)被害を受けるとそれだけ収益が下がるので、行政の方もヒヨドリ対策をしてくれないかなと思っています。

被害は、高騰が続くこの野菜にも及んでいる。

記者:
こちらのキャベツ畑、本来であれば今収穫のピークを迎えていますが、収穫前のキャベツがすべて食い荒らされています。

大分・国東市にある約1.6ヘクタールの畑で加工用のキャベツを栽培している農家も、ヒヨドリの被害に頭を抱えていた。

ヒヨドリは“木の実不足”で人里に?

松原ファーム・松原雅之代表:
見事に食べられているような状況です。(ヒヨドリが)飛んできては突いてというのを毎日繰り返されて、今このような状態になっています。

この畑は、付近にヒヨドリが羽を休める止まり木が多い。2月末頃から収穫前のキャベツが食い荒らされ始め、出荷が出来なくなってしまった。被害額は約300万円にも上るという。

日本野鳥の会大分県支部は、原因について「夏の暑さで山の木の実などが少なくなり、ヒヨドリが人里に出ているのでは」としている。

松原ファーム・松原雅之代表:
来年に向けて、リセットして頑張っていきたいと思います。

高値が続く野菜への被害は、より有効な対策が求められている。
(「イット!」3月26日放送より)

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