新見市と広島県を結ぶJR芸備線の今後について話し合う再構築協議会が3月26日に広島市で開かれ、2025年度、ダイヤの改善や増便など、潜在需要を引き出す実証実験を行うことを確認しました。

芸備線は、深刻な赤字が問題となっていて、2024年、国が行司役となり、鉄道事業者と沿線自治体が路線の今後を議論する再構築協議会が全国で初めて設置されました。

対象となるのは、新見市の備中神代から広島県庄原市の備後庄原までの約70キロの区間です。26日の会議では初めに、沿線住民に行ったアンケートの結果が報告されました。

その上で、住民のニーズが高かったダイヤの改善・増便を行うことや、バスやタクシーとの連携強化など、6つの施策の実証実験を行うことが提案されました。

(中国運輸局・金子修久局長)
「実際の利用者の方々を巻き込んでの実証事業が大変重要だと思っています」

これに対しJR西日本は、車両や乗務員の数などの実情を踏まえ、列車の増便が難しければバスなどでの疑似的な増便を検討したいと応じました。

一方、国土交通省の担当者は、「鉄道ネットワークはJRで維持してもらうのが基本」とした上で、大量輸送など、鉄道としての特性が発揮できていない路線は地域での議論が必要との見解を示しました。

(国土交通省・軽部努 鉄道事業課長)
「その路線が基幹的ネットワークとして特急、貨物が通っているのか。災害時の貨物輸送が想定されているのかなど踏まえて、特性が発揮できていない路線はあり方を議論が必要」

協議会では今後、実務者レベルで実証実験の具体案を協議し、7月には実験をスタートさせる方針です。

岡山放送
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