広島の新たなシンボルの幕開けだ。2025年3月24日、ついに広島駅の新駅ビルが開業した。中四国初や広島初など約220テナントが集まる商業施設「ミナモア」は、この日を心待ちにした多くの人でにぎわった。
早朝から行列、ランチは200分待ちも
JR西日本・広島電鉄・広島市の3者が連携して完成させた新しい駅ビルが3月24日に開業した。

広島市の松井一實市長は、23日に行われた開業記念式典で「広島ならではの新たな景色ができるということで間違いなく国内外から多くの方に来ていただける。地元の方々も誇りに思う広島プライドのひとつになるのではないか」とあいさつ。
新広島駅ビルには、中四国初や広島初など約220テナントが集まる商業施設「ミナモア」と、380室の客室を構える「ホテルグランヴィア広島サウスゲート」などが入り、駅ビル内の東西をつなぐ新たな通路の利用も始まる。

グランドオープンの24日、開業を心待ちにした約400人が早朝から長い列をつくった。中には「朝5時すぎに並びました」という客も。午前9時、営業時間を予定より1時間早め、客たちが続々と館内へ入っていく。NY発のハンバーガーレストラン「シェイクシャック」がお目当てという女性客に話を聞いた。

ーー店の雰囲気は?
「都会な感じがします!」
ランチタイムになると6階レストランは大にぎわい。広島初出店の台湾料理店「鼎泰豊」の待ち時間はなんと200分。ミナモアでは「グランドオープン記念フェア」が開かれていて、各テナントが限定商品の販売や割引サービスを行なっている。

「広島店限定でどうしても欲しくて、これをゲットするために夜勤明けにきました」
そう話す客が手にしているのはミナモア限定フレグランス。2階コスメ・ザッカフロアの「シロ」では会計待ちの列が外まで続いていた。また、もみじ饅頭の老舗「やまだ屋」もミナモア限定のお土産で集客をねらう。
コーヒーや紅茶の香りに包まれる館内
コンセプトは「全館カフェ」というミナモア。テナントとして入る数々のカフェの中から、広島初出店の魅力的なドリンクを紹介しよう。
コーヒーでお馴染みのスターバックスが中四国地方では初めてティーに特化した店舗「スターバックス ティー&カフェ」を構えた。見た目も香りも華やかなティーを五感で楽しめる。

地元からは広島市南区に本店がある「シマジコーヒー」が出店。新たに導入したコーヒースタンドにカップを置けば自動でコーヒーが注がれ、10秒待つだけでミナモアブレンドスペシャルなど自慢の浅煎りコーヒーが味わえる。シマジコーヒーの島美帆社長は「駅に入るということで、時間の限られた方もいらっしゃると思います。そういう方にクイックにおいしい浅煎りコーヒーを楽しんでいただきたい」と話す。

中四国初出店の紅茶専門店「ムレスナティー」では本場セイロン島の厳選された茶葉を使った紅茶を店内で楽しむだけでなく、130種類以上ものフレーバーティーが販売されている。

駅のあわただしさを忘れる癒しのネコカフェ「モフ」も出店。かわいいネコたちと触れ合えるほか、ラテアートでネコをえがいたドリンクにも心奪われる。
「ハンズ」も駅ビルへお引越し
一方、駅ならではのコンセプトで誕生した店もある。新幹線からつながる2階西フロアに、立ち食いそばならぬ“立ち食い寿司”が登場。時間がないときや、1人でちょっとだけ食べたいときにおすすめ。
広島市中心部から駅ビル5階に引っ越してきたのは「ハンズ」。30年間親しまれた八丁堀店よりコンパクトな広さだ。美容グッズやカバンなどの品ぞろえに力を入れた。

ハンズミナモア広島店の内山雅章店長は「駅直結型のビルなので、通勤・通学など普段使いの人も出張の人も気軽に寄っていただいて買い物が楽しめるお店にしたい」と意気込む。
グルメやファッションだけでなく憩いの場でもあるミナモア。中央アトリウム空間の雁木テラスでは思い思いの時間を過ごす人の姿が見られた。

また8・9階の「ソラモア広場」では駅前大橋の眺めを写真に収める人でにぎわった。2025年夏には、駅ビル2階へ乗り入れる路面電車の様子も楽しめるようになる。
オープン初日となった24日、ミナモアは多くの笑顔であふれていた。買い物や食事、そして憩いの場。ここが広島の新たなシンボルとなりそうだ。
(テレビ新広島)