18歳の高校生だった教え子の男性に、性的暴行を加えたり、わいせつな行為をしたりした罪に問われたバトントワリングチームの元指導者の男の裁判が始まった。

男は「強制わいせつ罪」に問われた事件については、「わいせつな行為をしたつもりはなかった」、性的暴行を加えた罪については、「被害者が抵抗できない状態だと思っていないし、無理やり行為をしたつもりもありません」と話した。

そして弁護側が無罪を主張した。

被害者の男性は裁判を前に関西テレビの取材に応じ、被害を受けたことについて取材に、「断ったり、親に言ったら、『チームのほかの人にも迷惑かけてしまう。大会に出たかった』」と述べ、男からの連絡を断れなかったと訴えた。

小城桂馬被告
小城桂馬被告
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■バトントワリングの指導者だった被告が教え子の当時18歳の高校生だった男性にわいせつな行為・性的暴行くり返す

バトントワリングの元指導者・小城桂馬被告(41)は、教え子だった当時18歳の高校3年生だった男性に対し、2023年2月26日、京都市内の自宅で下半身を触るなどのわいせつな行為をした強制わいせつの罪に問われている。

またその後、同じく自宅で3月10日には、「小城被告の意に従わなければ不利益を受けることになる」と抵抗できない状態にある被害者が、2月の被害でその状態が深まった中で、わいせつな行為をした準強制わいせつ、さらに3月15日には、一連の被害で抵抗できない状態が深まっていた被害者に性的暴行を加えた、準強制わいせつ、準強制性交や強制性交の罪に問われている。

京都地裁 3月24日
京都地裁 3月24日

■被害者の男性は「頭が真っ白に。気持ち悪いだけ」と語る さらに「大会に出たくて抵抗できなかった」と訴え

被害者の男性(20)は初公判を前に関西テレビの取材に応じ、当時受けた合わせて3回の被害について語った。

被害者の男性:1回目と2回目(の被害は)はもう頭が真っ白に。感情もないみたいな感じで。もう気持ち悪いだけ。怒りとかもあまりなく、ただ気持ち悪くて、どうしようみたいな。

3回目(=小城被告が強制性交と準強制性交の罪に問われている事件)の被害当時、男性は小城被告から自宅に来るようしつこく連絡を受けていたといい、直前に大会を控えていたことから、断ることができなかったと訴えます。

被害者の男性:大会前で断ったりして、練習とかでそれ(断ること)がどう響くかもわからんし、自分がここで断ったり、親とかに言ったりして、おおごとになったときに、(大会に出られなくなって)チームの他の人にも迷惑かけてしまうことも色々あって、大会に出たい思いがあって、その時はもう行くしかなかった。

男性はその日からバトントワリングを続けることができなくなり、再開できるようになるまで約1年半かかった。

被害者の男性:やっぱりバトンとか見るといろいろと思い出してしまって。体が完全に拒絶してじんましん出たり、寝られなかったりっていうのが1、2カ月ほぼ毎日続いて、人に会うのも嫌。部屋から出ないみたいな感じが続いたのが一番しんどかった。

被害者の男性
被害者の男性

3歳から小城被告の指導を受けていた男性は、小城被告に対する思いをこう訴えた。

被害者の男性:1人の大人としてダサいというか。尊敬していたところもあったけど、それを尊敬してた自分が馬鹿だったなみたいな感じ。謝罪は別に求めていないけど、その(やったことを)認めるっていうのが一番して欲しいこと。

京都地裁 3月24日
京都地裁 3月24日

■被害者の両親がその苦境を語る

男性の両親は、被害を受けた後の男性の様子について次のように語った。

被害者の母親:練習行く間際に手が震えて嘔吐して。バトンをやりたいんだけど、体がそういう反応を起こしてしまっていた。

被害者の父親:よく立ち直ってくれたと嬉しい思いはあります。不安はないと言ったらうそです。以前のチーム(被害当時に所属)と一緒になってしまうとか、本人もつらいやろなとは思います。

京都地裁 3月24日
京都地裁 3月24日

(関西テレビ 2025年3月24日)

関西テレビ
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