増加している飲食店でのスマホを使った注文システムは、自分のペースで手軽に注文でき、店側もミスが減るなどの利点がある一方、通信料やバッテリーの負担を指摘する声が上がっている。

急増するスマホ注文に戸惑う利用客

飲食店で注文や会計する時、客のスマートフォンを使うシステムを導入する店が最近増えている。手軽で便利だが、一方で物価高の中、ネガティブな指摘もある。

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21日のテーマは「スマホ注文 私たちのギガにタダ乗り?ソレってどうなの」だ。

QRコードにスマホのカメラをかざすと、ドリンクや食事のメニューが表示され、そのまま注文ができるシステムは、自分のペースで手軽に注文ができ、スマホを見れば会計の金額もチェックできる。

店側としてもメリットがある。注文を取りに行く必要がなく、聞き間違いなどによるミスも避けられるなど、いいことずくめだ。

しかし、SNSでは不満の声がある。何が問題なのかというと「私のギガを使って注文するの?通信料もかかるし困る」「ギガもバッテリーも客側に負担させる方式はどうかと思う」と声が上がっている。

街の人はどう感じているのか聞いた。

20代:
(スマホ注文は)ラクでいい。電池とか考えたことなかったです。

20代:
自分も別に気にしないです。紙(メニュー)よりもラクなので問題ないです。

という声もある一方で、反対意見もある。

20代:
ギガの制限がある。ゲームやるのでギガを使っちゃう。月末はいつも(通信量が)カツカツなので、もうちょっとストレスなく注文したいと思います。損得というよりも不便の方が大きいです。

20代:
充電が切れちゃうんじゃないかなと。(スマホの)充電が切れたときに、どう頼めばいいか不安は感じます。

他にも、スマホに慣れていない人が店員を呼ぶため、店側の効率も下がるのでは?という人もいる。

店側はどう感じているのか。スマホでの注文システムを導入している横浜市の「しょうゆきゃふぇ横浜元町店」を取材した。

こちらの人気は生プリンだ。テーブルにはQRコードが置かれていて、スマホで注文ができるようになっている。訪れていたお客さんに話を聞いた。

40代:
(スマホ注文の店が)増えていると思います。操作性としては良かったです。どの商品も写真が載っているのでイメージがしやすい。

オーナーシェフの六川さんに、スマホ注文のメリットを感じていることを聞いた。

しょうゆきゃふぇ横浜元町店オーナーシェフ・六川光さん:
一番のメリットは、お客さまに新メニューを紹介できることです。

さらに、人件費やフードロスの削減などにも役立つという。

しょうゆきゃふぇ横浜元町店オーナーシェフ・六川光さん:
人手不足の時代で一人何役もやらないといけないので、オーダー取りに行かなくていいのが一番良いですよね。今何人(客が)入って、何が出ているかスマホでわかるんですよ。仕入れにも役立ちます。売り上げもわかります。

実際のデータ通信料は数円程度

青井実キャスター:
便利ですけど、皆さんの意見もあるわけですね。

SPキャスター柳澤秀夫さん:
お店にいい分、客の方にもちょっと何か還元していただければね。でも、そんなに気にしないと思うな。実際は便利だっていう部分が先立っていると思います。

青井キャスター:
店にWi-Fiがあったりすると。

SPキャスター柳澤秀夫さん:
そしたら別にギガ食いませんからね。

青井キャスター:
ITジャーナリスト三上洋さんに聞きました。スマホでの注文、コロナの時から急激に普及したと言うんです。

ITジャーナリスト・三上洋さん:
コロナ禍で、非接触でどうやってビジネスをしていくかがポイントになりました。コロナが一段落したあとも人件費が節約できる。多言語対応できてインバウンドの客にも対応できることで導入が増えているようです。

青井キャスター:
そんな中、話題に上がるのはデータの通信料や使用量などをめぐるモヤモヤだ。実際にどのくらいの負担額なのか。

ITジャーナリスト・三上洋さん:
データ通信料はスマホオーダーだとしても、ごくごくわずかです。負担するにしても、本当に数円単位いくかいかないかというレベルです。

一方で、Wi-Fiや充電器、コンセントの準備など負担を減らす店側の努力も必要だという。デジタル化と物価高が進む今、企業努力を知った上で納得して新しいシステムを使いたいものだ。
(「イット!」3月21日放送より)

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