オープンから40年間、スキーヤー限定で営業してきた長野県長和町のスキー場が、3月17日からスノーボードの滑走を解禁した。コロナ禍での利用客の落ち込みを受け、スノーボーダーの比率が上がる中で「共存」に舵を切った形だ。
スキー限定からスノーボード解禁
長和町の「ブランシュたかやまスキーリゾート」は全国でも珍しいスキーヤー限定のスキー場だ。

3月17日からスノーボードを「解禁」した。来シーズンからの本格解禁を前に、17日からトライアル期間として受け入れを始めた。
香川県から来た客は「3年前までスキーだったので、ここに良く来ていました。大好きなスキー場だったので、スノーボード解禁になると聞いて、きょう来ました」と話した。
町内からの客は「いつもはスキーで滑っているんですけど、元々はスノーボーダーなので、やっと滑れるなという感じで、うれしくて来ました。スキーとボーダーと混ざっている家族とか多いと思うんです。そういう人たちが来てもらえれば(来場者が)増えるんじゃないかな」と話し、スノーボード解禁を歓迎した。
「ファミリーに来てほしい」
オープンから今年で40年。なぜ、スノーボード解禁に舵を切ったか。
ブランシュたかやまスキーリゾート・小林雄一さんは「(コロナ禍から)なかなか入り込みが戻ってきていなくて、ボーダーの比率が上がっている中で、ファミリーの方に来ていただくためにというのが、スノーボード解禁の一番の要因」と話した。

1985年にオープンしたブランシュたかやまスキーリゾート。コース幅が狭く、衝突事故の懸念もあって、開業当初からスキーヤー限定で営業し、ピーク時は1シーズンで18万7000人が訪れていた。
しかし、スキー離れなどで徐々に客足が減少。さらにコロナ禍以降、大きく落ち込み昨シーズンの来所者数は5万5000人だった。
スノーボードの解禁は、客足が落ち込む中、スキー場を存続させるための決断だ。
ボーダーは歓迎!スキーヤーは困惑
解禁初日の3月17日も続々とスノーボーダーが訪れていた。
町内から来たスノーボーダーは「ちょっと固いけど気持ちよくボーダーでも滑れるかなと思います。互いにマナーを守って滑れば問題ないと思います」と話した。

スノーボーダーからは歓迎の声が上がる一方、スキーヤーは「ここのスキー場はそんなに広くないので、ボーダーの人が来たら滑り方も違うので、ちょっとって。しょうがないのかなと思いますけど、スキーヤーオンリーでずっとやってほしいなと思います」、「合流点とか細いところですね。直さないとダメだと思います、非常に狭いので。(スノーボード解禁の)テストをするというのは、何も言えないですけど、その後のきちっとした対応を考えてくれないと」などと困惑の声が聞こえてきた。
利用客の意見聞き「共存」目指す
ブランシュたかやまスキーリゾート・小林雄一さんは「リピーターの方に支えられているスキー場なので、迷惑をかけないような形でスノーボードの方と共存していただけるゲレンデづくりやサービスをしていきたいと思う」と話した。

スキー場は、トライアル期間の利用客の意見を聞いた上で、安全を第一にスキーヤーもスノーボーダーも楽しめるスキー場を目指していきたいとしている。
ゲレンデの状況にもよるが、トライアル期間は3月末まで実施の予定だ。
(長野放送)