「点字ブロックの日」が制定されてから15年。竹内昌彦さん(80)が続けている点字ブロックへの理解を求める活動が今、広がりを見せています。
(ヒカリカナタ基金 竹内昌彦理事長)
「次々と点字ブロックへの理解が広がっている。それでもまだまだ、「あんなものは要らない」とか「黄色が目立つから邪魔だ」という声も決して少なくない」
岡山市に世界で初めて点字ブロックが設置されたのは、58年前の3月18日。中区にある岡山盲学校近くの交差点に発明家の三宅精一さんが私財を投じて設置したもので、15年前に、「点字ブロックの日」に制定されました。
岡山盲学校の元教頭で全盲の竹内昌彦さんは、毎年記念日に合わせて啓発活動を行っています。15年続く活動で支援者も増え、2025年の参加者は約200人となりました。
竹内さんは、点字ブロックの上にものを置かないよう理解を求める活動に加え、点字ブロックの普及にも力を入れています。4年前から岡山市中心部の表町商店街に、点字ブロックを設置してほしいと要望し、商店街などと話し合いを続けてきました。しかし、視覚障害者が望む黄色い点字ブロックを設置することは、簡単なことではありませんでした。
(岡山市の担当者)
「点字ブロックの色は「黄色」。周囲の路面との輝度比が大きいことにより、当該ブロック部分を容易に識別できる色としているので、黄色がマストではないんです」
(竹内昌彦さん)
「黄色ってやっぱり評判悪いんですか?」
わずかに視力が残る弱視の人にとっては、黄色は見えやすい色とされています。竹内さんはこれまで「黄色い点字ブロック」の必要性を訴え続けてきました。
そして…約1キロにわたる表町商店街の一部に、岡山市が点字ブロックを設置することが決まりました。その色は、黄色です。
(竹内昌彦さん)
「黄色に落ち着くことはとてもありがたい、日本中どこに行っても、消防車は赤、点字ブロックは黄色、これを徹底してほしい」
2025年度には、8つの組合からなる表町商店街の内、中之町の約150メートルに黄色い点字ブロックが設置される予定です。竹内さんは、商店街全体に点字ブロックを広げていきたいと、今後も話し合いを続けていくことにしています。
(竹内昌彦さん)
「多様性が認められる社会、いろいろな人が世の中に生きている、その人たちを排除するのではなく、みんなが安心して楽しく暮らせる社会をつくるのが人類の目標だと思う」