日本中が“ドジャース旋風”に熱狂する中、14日に佐々木朗希投手の表敬訪問を受けた石破首相。
国会では、13日夜発覚した自民党の新人議員に10万円分の商品券を配付した首相自身の問題について釈明に追われた。

“1年生議員”15人に10万円分の商品券

日本維新の会・柳ヶ瀬議員(参院予算委):
きわめて黒に近いグレーだと思います。なぜそのような批判を浴びることになっていると考えるのか。

この記事の画像(12枚)

石破首相:
すべて私の不得のいたすところ、不行き届きであります。大変申し訳ございません。

事の発端は3月3日に公邸に“1年生議員”を招いた会食だった
事の発端は3月3日に公邸に“1年生議員”を招いた会食だった

事の発端は3月3日、石破首相が2024年秋の衆院選で初当選した“1年生議員”15人を公邸に招いた会食。
それに際し、石破首相はお土産として、1人あたり10万円の商品券を配付したという。

この行為が、政治活動に関する個人への寄付を原則禁止する政治資金規正法などに違反するおそれがあると指摘された。

石破首相(参院予算委、14日午後1時過ぎ):
私自身の私費、ポケットマネーで用意したものでございます。各議員の政治活動に役立ててもらうために行った寄付ではございません。よって政治活動に関する寄付には該当もせず、政治資金規正法に抵触するものではございません。

国会では、身内の自民党議員も取り上げた。

自民党・山下議員:
自民党の議員を集めて会食することが政治活動ではないと言えるのでしょうか?

石破首相:
議員ご本人とは、会食をして「ありがとう」と言うことはできますが、支えてきて大変な思いをしてこられたご家族の方々にはそういう思いを伝えることができませんので、そのためにこのようなことに及んだ。

13日夜の取材では、「ほかの会合でも商品券を配ったことがあるか」と聞かれ、「ある」と答えた石破首相。

立憲民主党・岸議員:
何回ぐらいでしょうか。

石破首相:
両手で数えて足りるか、足りないかぐらいではないかなと。

立憲民主党・岸議員:
自民党という組織は、お土産という概念に10万円という高額なお金が飛び交う世界なのでしょうか。

石破首相:
その金額が一般の常識とかけ離れているというご指摘は、それは大変申し訳ございません。私自身の足らざるところです。

一方、今回の会食に参加した15人の新人議員は、全員商品券を返却したという。

「政治とカネ」めぐる議論の中…野党は批判強める

国会で「政治とカネ」をめぐる議論が行われる中で起きた今回の問題。
野党は批判を強めている。

立憲民主党・野田代表(14日午前10時半ごろ):
ポケットマネー、1人10万円ですから、150万円なんてポケットって普通入りませんのでね。いわゆる“お土産”としては社会通念では、額としてあまりにも多いのではないのかと。

国民民主党・玉木代表(14日午前10時過ぎ):
疑惑の払拭ができないということであれば、やはり総理の職を続けることは困難になっていくと言わざるを得ないと。

さらに、身内からは退陣を迫る声が上がる事態に。

自民党・西田昌司参院議員(14日午前10時前):
予算通したら、もうすでに 使命を果たされているんだから、そこはそういうことも含めてね、退陣されるのが正解だと思いますね。

日本大学・岩井奉信名誉教授は、政治資金規正法違反に問われる可能性があると指摘する
日本大学・岩井奉信名誉教授は、政治資金規正法違反に問われる可能性があると指摘する

政治とカネの問題にくわしい日本大学・岩井奉信名誉教授は、「やっぱり手土産ということであるならば、せいぜい5千円から1万円というところが適切な額だろうという感じがしますね。社会通念からすると手土産代10万円というのは認められないだろうと。政治資金規正法違反に問われる可能性というのは、私はなきにしもあらずと思いますね」と、今回の問題点について指摘する。 

石破首相自身に浮上した政治とカネの問題。
今後、さらに厳しい政権運営を迫られそうだ。
(「イット!」3月14日放送より)