京都大学周辺に、本格的な中国料理店が急増している。背景には、京大の外国人留学生の半数以上を占める中国人学生の存在があり、慣れ親しんだ味を求める彼らをターゲットに、飲食店が次々と出店し、激戦区になったという。安くて本格的な料理が人気で、留学生の支えになっている。
京大ある東大路周辺にひしめき合う“ガチ中華”
京都大学は「自由の学風」で知られ、ノーベル賞受賞者を数多く輩出してきた。来週10日に一般選抜の合格発表が迫っているが、その京都大学周辺で異変が起きている。

記者:
中華料理のお店があります。そのすぐ隣りも中華料理で、さらにその奥2軒も中華料理のお店です。
狭いエリアに本場の中国料理を提供する、いわゆる「ガチ中華」のお店がひしめき合っている。

京都の中心を流れる鴨川の東側に広がる京大のキャンパス。その一角、東大路通周辺にはガチ中華の店が6軒以上と、激戦区になっている。
4年前にオープンした「中国料理順和」は、羊の肉を豆板醤と山椒、唐辛子のスープで食べる鍋料理など、本格中国料理が人気だ。アツアツの鍋を直接手でいただくのが、本場流だ。
記者:
おいしい。結構辛いですね。食べた瞬間、じんわり汗が出てくる辛さです。
ランチで鶏肉の四川風炒めを食べていた男性に話を聞いた。
京大2年生・中国からの留学生:
京大です。勉強大変だし、勉強のあと懐かしい味が欲しいから、よく来てます。週3~4回ぐらいです。おいしいから。

中国からの留学生も認める本場の味だ。
京大2年生・中国からの留学生:
京大は留学生が多い。特に中国人は多いと感じます。
増加の背景に京大留学生の半数以上占める「中国人学生」
京大に中国人留学生が多いというのが、実はガチ中華激戦区の理由だ。店長は出店の理由についてこう語る。

中国料理順和・王嬌店長:
京都は大学が多いので、学生さんが多いです。中国人は骨付きの料理が好きで、羊を注文される人が多いし、辛いです。
現在の京大の外国人留学生は2942人だ。そのうち中国人は1674人で、留学生の半分以上が中国人とダントツになっている。
中国で「高考(ガオカオ)」と呼ばれる大学入試は、その熱烈ぶりが風物詩となるほど厳しい狭き門だ。そこで有名大学に入れなかった人が、日本への留学を目指すという。

京大生:
どこを見ても中華料理でビックリしました。私は来たばかりの時、1年前に両親と行きました。
京大生:
全部うまいし、基本的に安いんですよね。辛いの好きだから私はすごく好きです、安いし。
ここにお店を出して18年目という「長江辺」は、メニューは中国語がメインで、横に日本語が添えられていた。
長江辺・店主:
昔はここ1軒しかなかったです。学生が多く来るからここにいます。
京都で味わうガチ中華、忖度なしの本場の味が留学生たちを支えていた。
(「イット!」3月7日放送より)